●MF:松本泰志

 東京五輪での久保建英や三笘薫のように、世代別のサッカー日本代表で活躍したのち、A代表でも中心選手に成長する選手は多くいる。一方で、世代別代表で存在感を放ちながらも、A代表にうまく定着できなかった選手も枚挙に暇がない。今回は、年代別の代表で期待を集めながらも、その後は苦しんでいる選手をピックアップして紹介する。※データは『transfermarkt』を参照、4/13時点。

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生年月日:1998年8月22日(25歳)
所属クラブ:サンフレッチェ広島
2024リーグ戦成績:5試合0得点0アシスト

 松本泰志は、埼玉県の強豪である昌平高校で10番を背負って活躍し、2017年にサンフレッチェ広島でプロ入りした。その年にU-20日本代表に招集されている。2018年夏には、U-21日本代表としてアジア競技大会に出場。レギュラーとして7試合全てに出場して、準優勝に貢献した。

 2019シーズンは、サンフレッチェ広島で青山敏弘の負傷もあって出場機会が増え始め、東京五輪世代を中心に編成されたコパ・アメリカ2019に臨むA代表に呼ばれている。結局出番はなかったものの、着実にステップアップを続けていた。

 しかし、青山の復帰とともに広島で出番が少なくなると、代表からも遠ざかった。期限付き移籍でアビスパ福岡やセレッソ大阪に加わることになり、エリート街道から逸れている。

 それでも、松本は着実に広島で存在感を強めているところだ。2022シーズンはリーグ戦で23試合に出場して、キャリアハイとなる3得点を挙げた。2023シーズンは出番を減らしたものの、年末に契約を更新して残留を決め、今季はここまで5試合に出場している。松本は広島で不動のレギュラーというわけではないものの、安定した活躍ができるボランチで、ファンも契約延長を喜んでいる様子だ。

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