お酒を飲んだ時には、車だけでなく自転車にも乗ってはいけませんよね。ましてや子供を乗せるなどもってのほか! 今回はそんな危険行為を、常習的に繰り返していた知人が起こしてしまった事件についてお話しします。

匂いはごまかせない! お酒を飲んで子供のお迎えに来るママ

娘を幼稚園に通わせていた時の話です。

その幼稚園はママチャリで子供を送迎しているママが多く、その中にAちゃんのママもいました。しかしAちゃんママには、他の人と明らかに違う点がありました。

それはお迎えに来た時、時々お酒の匂いがすること。言動や顔色は通常と変わらず、酔っ払っているようには見えないのですが、確かにお酒の匂いがするのです。

ある日、みかねたママ友の1人が「なんかお酒の匂いするんだけど、ちょっと飲んでたりする?」とそれとなく聞いたところ、「あーうん、アルコール低い酎ハイを少しだけ」としれっと認めたAちゃんママ。

「いやいや、飲酒して自転車乗るのは違法行為だよ」「子供乗せてるんだから絶対やめなよ」とみんなで止めました。

しかしAちゃんママは「大丈夫だよ! 私お酒強いから飲んでも顔に出ないし、いつもと変わらないから!」と笑うのです。

その一件から、多くのママはAちゃんママのことを「非常識な人」と認定して、距離を置くようになってしまいました。

しかし、私は娘とAちゃんが仲良しだったため、とにかくAちゃんが心配で、その後もお酒の匂いがする日は自転車に乗らず押して帰らせるなど、Aちゃんママに注意を続けていました。

しかしそんな心配も虚しく、事件は起こってしまったのです。

ついに事故が起きた! その時、子供の取った行動に涙

とある日の送迎時、私と別れた後に、AちゃんママはAちゃんを乗せて自転車を運転し、高齢の女性と接触してしまったのです。

たまたま交番の近くだったため、すぐに警察が駆けつけました。そしてAちゃんママがアルコールを飲んで自転車に乗っていたことも、匂いですぐにバレてしまったのです。

結果的に、高齢者の怪我はすり傷程度で済みました。Aちゃんママの飲酒も測定の結果、軽度の「酒気帯び運転」と見なされて罰則は免れました。

しかし職務質問をされた時に、幼いAちゃんが「ママをいじめないで!」と泣き叫び、警察官の前に立ちはだかったそうです。

事故を起こして動揺しているママを、必死に守ろうとしたのでしょう。

「そんな娘の姿を見て、自分が情けなくなっちゃってね……」と、後日Aちゃんママから聞かされました。

その後、Aちゃんママからお酒の匂いがすることは一切なくなりました。

最後に

「ちょっとくらい大丈夫」が命取りになることもあります。大事な人を危険にさらす可能性のある行動をしないよう気をつけましょう。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Hinano.N