「雨の慕情」「舟唄」などで知られる《演歌の女王》八代亜紀さんが、2023年12月30日、急速進行性間質性肺炎で亡くなった。八代さん専属のヘアメイクとして長い年月を共にした大内聡子さんと、大内さんの夫で八代さんと長く親交があった俳優の新田純一さんが、八代さんを偲び語り合う(構成:平林理恵 写真提供:大内さん)

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すぐよくなるだろうと思っていた

新田 もう八代さんに会えないなんて、まだ信じられない。9月に入院されるほんの1週間前に、旅番組のロケで香川県に行き、一緒に讃岐うどんを食べて……。楽しかったよね。

大内 いつも通りの明るくて元気な八代さんでした。

新田 夕食の後は、お酒やつまみを買い込み、スタッフ全員が八代さんの部屋に集まって恒例の飲み会。八代さんはほとんどお酒を飲まないんだけど、いつもおしゃべりの中心にいて、「お酒足りてる?」と、気配りも忘れない。姉御肌で優しくて。

大内 そうそう。一緒に仕事をすると、みんな八代さんが大好きになっちゃう。

新田 あのときもロケを終えて、「お疲れさま」と笑顔で解散。その1週間後くらいに、病院に行ったら膠原病とわかり、急きょ入院することになった、と。そばにいた僕たちが一番驚いた。

大内 ロケに出る前に、八代さんの首のあたりに湿疹みたいなものができていたんです。「あせもかな?」と思って、皮膚科で処方された軟膏を塗り、その上にファンデーションをのせていました。あとから思えば、それが膠原病の皮膚症状の1つだった。

新田 でも膠原病には、急激に悪化して命にかかわるような病気というイメージはないじゃない。すぐよくなると思ってた。

大内 私もそうです。