長生きするなら自分の足で歩き、毎日笑顔で過ごしたい――。元気に趣味や仕事を楽しむ93歳と101歳の女性の暮らしぶりを聞いてみると、その希望を叶えるヒントが見えてきました(撮影:藤澤靖子)

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忙しさが張り合いに

「この年齢になっても転ぶことやつまずくことはなく、病気やケガの経験もなし。もともと体が頑丈にできているのかもしれません(笑)」

そう語るのは、93歳の現役アスリート、齋藤恵美子さんだ。2023年10月には、スペイン・マヨルカ島で開催されたテニス大会「ITF世界選手権」で、90代女性部門のシングルス・ダブルスともに金メダルを獲得。

85歳から始めた陸上競技では、100m19秒37(85〜89歳女性部門)のほか、200m、400mなどで数々の世界記録も樹立している。

「子どもの頃から体を動かすことが大好きで、18歳の時にテニスを始めました。最初は軟式をやっていて、42歳で硬式に転向。指導員資格を持っているので、今も週に2回、都内の教室で教えています。

陸上は、短距離走の練習を月に1回です。ウォーミングアップで体をほぐしたあと、100mを3本。そして400mトラックの直線を60%くらいの力で走り、コーナーは歩いて1周する。それを3本です」