◇女子アマチュア◇オーガスタナショナル女子アマチュア 事前(2日)◇ジョージア州・チャンピオンズリトリート(6360yd、パー72)、オーガスタナショナルGC(6365yd、パー72)

荒木優奈の“タイムリミット”はあと3カ月ちょっと、絶対に世界アマチュアランキングを下げるわけにはいかない。だから、米国には42インチのパターを持ってきた。

現在ランキングは日本勢最上位の8位。7月26日時点でトップ10に入っていれば、今年のプロテストに2次までをスキップし、最終ステージから挑戦できる。初挑戦の昨年は、ナショナルチームメンバーとして最終から臨んだが3日目で敗退した。プロテスト受験に伴ってチームを卒業した今年は、自力で最終への切符をつかまなければならない。

大事な試合に持ってきたのが、42インチの長尺パター。昨年9月からパッティングに不安を抱えるようになり、「このまま悪いほうに行ったらイップスになる。何か大きく変えないと」と年明けに思い切って変えてみた。

高校卒業したばかりの同年代で長尺を使う選手は、もちろん少ない。「最初は結構抵抗もありました。ダフるし、ひっかけるし散々だった」と使いこなせるようになるまでが一苦労。短いパターを使う選手を見れば戻したくなったが、踏ん張るきっかけになったのは、ツアー競技2試合だった。

3月の「Vポイント×ENEOS」、「アクサレディス」で投入し、どちらも予選通過。「その2試合はパターのおかげでスコアを作れた」と結果が出たことに加え、プロの試合で長尺を使っている選手が多かったことも新鮮だった。「4人くらい見かけて、堀琴音さんからも話しかけてもらえたんです」と、昨年プロ10年目で長尺にシフトチェンジした“先輩”の言葉がうれしかった。「これがいまの自分のスタイル。自信を持って回れたらいいかなって思えました」と自信になった。

「ここで予選落ちしたらランキングが下がっちゃう。いまは不安がない方で、安心して打てるクラブで良い」と米国にも迷わず持ってきた。出場は9位の昨年に続き、2度目。「もちろん優勝もしたいけど、まずは去年よりもいい順位で回れたら」と気合を入れた。(ジョージア州エバンス/谷口愛純)