◇国内男子◇中日クラウンズ 事前情報(1日)◇名古屋GC和合C(愛知)◇6557yd(パー70)

御殿場から世界への扉を一気に開いた桂川有人は、まだ次のステージの準備が整っていないという。「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」優勝で獲得したDPワールドツアー(欧州ツアー)の出場資格をどう生かすか。なかなか、考えがまとまらない。

優勝してからまだ3日では無理もない。最終日翌日の4月29日(月)は「ISPS―」のアフタープロアマをプレーし、今大会の会場に入った30日(火)は中継局のテレビ収録に参加。そしてこの開幕前日は再びプロアマ戦だった。「なかなか時間がなくて…。(進路は)今週中にはちょっと整理したいかなと思っている」と時間が目まぐるしく過ぎていく。

近いうちに新天地になるはずの欧州のメンバーは今週、中国で「ボルボ中国オープン」を戦う。シーズン中盤に入ったツアーは5月下旬以降、会場がいよいよ本場の欧州へ。ベルギー、ドイツ、スウェーデン…とゲームが続く。今すぐにでも海を渡れるが、25歳の内心は、今季初めに描いた強化プランとの“綱引き”で揺れている。

昨季の米下部コーンフェリーツアーでの挑戦を経て、日本で再出発を誓ったばかり。「正直言って、ことしは身体を見直して、いろいろ取り組んでいるところだった。やり始めてまだ半年くらいしか経っていない」。スイング、フィジカルをイチから再構築している途中だからこそ、「もう少し、やり切ってから行ってもいいのかな…とか思うこともある」。いくら金星を得たからといって、道半ばで計画を変更してもいいものか…。

国内ツアーの連戦の最中にある20日(月)の「全米オープン」最終予選(滋賀・日野GC)への参加は当初から見送る予定だった。「どっちつかずになってしまいそうな感じがあって。まずはツアーの方が大事かなと。だからことしは全米オープンは考えていなかった」と明かすほど、綿密に日程を組んでいたところ。「選択肢が多い分、焦らずに。選択によって良い、悪いがはっきりしてくると思う。それをイメージしながらことしはスケジュールを組んでいきたい」と、2026年まであるシード権の最善の使い方をじっくり練るつもりだ。

今週は地元・愛知県での試合。名古屋市内に住む稲葉弘泰トレーナーの指導もみっちり受けられる。「優勝のあとは期待されている。応えられるように頑張りたい」。海の向こうのこと、ふるさとのこと。考えることはいっぱいだ。(愛知県東郷町/桂川洋一)