岐阜県美濃加茂市議会の永田徳男副議長(71)が、姉妹都市のオーストラリア・ダボ行政区の首長らを招いた市内での歓迎会の2次会で、首長の20代娘の下半身にカラオケマイクを近づけセクハラを疑われる不適切な行為をしたとして、藤井浩人市長が首長に謝罪文をメールで送付していたことが8日までに分かった。

 関係者によると、マシュー・ディカーソン首長が家族と来訪し、市幹部やNPO法人美濃加茂国際交流協会の有志ら計19人が、4月3日に市内での2次会に参加した。副議長はカラオケで英語の歌を歌いながら踊り、ソファに座っていた娘の下腹部にマイクを近づけたという。

 当時席を外していた藤井市長が、同席した1人が撮影していた動画を23日に確認。市が相談業務を委託する弁護士に確認したところ、「行為を受けた人は不快感を与えられていると思われ、少なくとも『不適切な行為、行動』とは言える」と見解を示したため、藤井市長が24日に謝罪メールを送った。8日時点でダボ側から苦情はない。

 永田副議長も1日、「私の行動が不愉快にさせてしまいましたこと、心よりおわび申し上げる」との文書を議会事務局に提出した。9日の市議会全員協議会で今後の対応を話し合う。

 一方、協会が娘に見解を尋ねたところ、「議員が悪意を持ってやったとは思っていない。楽しい場だった」と返信があったという。その場にいた会長によると、カラオケはディカーソン首長の強い要望だったといい、「娘の隣に母親が座り、酒に酔って踊る副議長にあきれた顔をしていたものの、不適切な行為の前後に、セクハラの言動や雰囲気はなかった」と話した。