◆ホーリーファンガス (岐阜県郡上市大和町)

 古い街道が通り、古今和歌集の奥義を伝える「古今伝授」が行われた歴史ある郡上市大和町に“今どき”の健康体験施設が登場した。里山農場で栽培した原料を使ったオーガニック化粧品の製造、販売を手がける「ネオナチュラル」(名古屋市)が、5月にオープンさせた体験型キャンプ場「ホーリーファンガス」では、宿泊、スパ・サウナ、ハーブ収穫などの農業体験、オーガニック化粧品作り体験などを楽しめる。

 大和町栗巣の里山に広がる「母袋有機農場」は、有機JAS(日本農林規格)認定農場。同社が2011年、耕作放棄地だった田畑や山地約6千平方メートルを利用し、2年後からコメやヘチマ、ハーブなどオーガニック化粧品原料の有機栽培を行っている。

 農場内には城壁らしき石垣が残り、100年以上前には街道が通っていたらしい。同社職員の御澤栄輔さん、農場スタッフの雪野奈々緒さん、大矢桂子さんが案内してくれた。管理栄養士の資格を持つ御澤さんは、薬膳料理教室を開いていたこともあるといい、ハーブや野草が持つ薬効やパワーに注目している。「日常から離れて自然の中で自分と向き合い、心と体を癒やしてほしい」と話し、腸内や肌に常在する善玉菌の活性化を促す“善玉菌リトリート”体験を推奨する。

 夏はコメを無農薬栽培する田んぼの中に設けられたテントサイトでの宿泊体験や、ヘチマ水の収穫体験などが行われる。8月31日には日帰りイベント「第7回 ヘチマ水の収穫」を開催。ヘチマ水を収穫、自分で摘んだミントの蒸留水と混ぜて体にも使える化粧水「ひんやりスプレー」作りを体験する。昼食には季節感たっぷりの「美活弁当」を味わう。参加費は中学生以上が1人3800円。小学生2千円。定員30人。別料金で宿泊もできる。7月12日から参加を受け付ける。

 同社のオーガニック化粧品や農場産の材料を使った“美活食品”を販売するショップもある。のんびりと農場を散策(環境維持費500円が必要)するのもお勧めで、管理棟には農場オープン前からいるという推定20歳の看板猫「小次郎」が常駐している。近くに「槍(やり)岩」伝説の残る白山神社(石橋白山)があり、足を延ばしてみてもいい。

【案内】

 ▽ホーリーファンガス 交通=東海北陸自動車道「ぎふ大和」インターチェンジから車で15分。国道156号徳永交差点から約10キロ。利用時間=水曜日休み。ショップ営業は午前9時から午後5時。問い合わせ=電話0575(88)2160。