『レスリング薩摩の国』鹿児島・西原商会アリーナ(2024年4月29日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ◯SHOvsDOUKI×

 DOUKI初挑戦となったIWGPジュニア王座戦は、HOUSE OF TORTURE(拷問の館)とJust 5 Guys(J5G)による大乱入合戦に。最後は成田蓮のダブルクロスがDOUKIの執念を断ち切り、王者SHOが無法V2に成功した。

 拷問軍が調印証を“偽造"して王座戦を拒否すれば、J5Gが総出で正式調印証に強制サインさせるなど、戦前から大荒れだったIWGPジュニア王座戦。本番もやはり大荒れとなった。

 鹿児島メインでの王座戦。SHOは入場するなり「DOUKI、せっかくの初挑戦がこんな鹿児島でええんか!? スーパージュニアのブロック分けも発表されたんやから練習試合でええやろ? 3分間の公開スパーリングに変更しろ!」と、やはり王座戦を拒否してブーイングに包まれた。

 すかさずDOUKIは調印証を掲げて“SHOのサイン済み"を強調したものの、SHOはクシャクシャに丸めて口の中へ。慌ててDOUKIがボディブローで吐き出させると、そのまま試合開始のゴングが打ち鳴らされた。

 勢いそのままDOUKIが左ヒザに集中砲火を浴びせたものの、SHOもケブラーダをヤングライオンの嘉藤をぶつけて阻止。逆にDOUKIの左ヒザを攻め返して譲らない。

 意地のDOUKIが反撃に転じても、SHOはレフェリー誤爆を誘ってリングを無法地帯化だ。すかさず拷問軍の金丸義信とディック東郷が介入し、負けじとJ5Gサイドも解説席に座っていたタイチが救出に飛び込んだ。

 ところが鎮圧されたタイチは、手錠で拘束されてしまう。ならばとJ5Gの上村優也とTAKAみちのくが飛び込んだものの、すぐさまその背後をEVILと高橋裕二郎が襲って蹴散らした。

 SANADAが欠場しているため、J5Gはこれで“弾切れ"に…。数的優位でリング上を制圧した拷問軍は、DOUKIの股間に悠然とパイプカットを落とすと、SHOがパワーブリーカー、クロスアーム式パイルドライバー…と畳みかけて3カウントを迫った。

 それでもDOUKIは執念でキックアウト。逆にショックアローを起死回生のイタリアンストレッチNo.32で切り返し、絞めに絞め上げてSHOから生気が抜けたところで激しくゴングが打ち鳴らされた。

 DOUKI大逆転のレフェリーストップ勝ち…と思いきや、ゴングを乱打していたのは東郷。DOUKIはガッツポーズしたものの、レフェリーもリングアナも当然“無効"を主張だ。

 逆に今度はEVILが再びレフェリー誤爆を誘ってDOUKIをリンチ。ようやく手錠が解けたタイチが飛び込み、EVILと裕二郎にダブルアックスボンバーを叩き込むと、TAKAも東郷への“逆"パイプカットをさく裂だ。そのままJ5Gは拷問軍の面々をバックステージへと強制連行していった。

 リング上はようやくSHOとDOUKIのタイマン勝負に。するとDOUKIは鉄パイプを久々に“解禁"して、SHOのトーチャーツールを蹴散らすと、鉄パイプ式の土遁の術をズバリ。さらに摩利支天で追い込むや、スープレックス・デ・ラ・ルナで完璧に投げきって3カウント…かと思われた。

 だが、再び場内に忍び込んでいた金丸がレフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。怒りのDOUKIも金丸のウイスキーミストを地獄突きで阻止したものの、今度は拷問軍で唯一姿をみせていなかった成田が乱入。DOUKIのマスクを剥ぐなり、特製プッシュアップバーで殴りつけ、続けざまにダブルクロスで叩きつけた。

 DOUKIは大の字のままピクリとも動かない。成田はDOUKIの上に半失神状態のSHOを覆いかぶせると、レフェリーにカウントを強要し、ゆっくりと3カウントが数えられた。

 試合後も、王者、挑戦者ともに半分意識を失ったままのリング上。ブーイングのなか、ひとりニヤニヤとマイクをつかんだ成田は、倒れたままのSHOの口元にマイクを向けた。

 完全に“虫の息"なSHOだったが「余裕すぎるだろ、強すぎて困るわ。こんなもんよ、公開スパーリング以下じゃ…」と、美しいまでの強がりを口に。さらにはDOUKIを「クソ雑魚」、鹿児島の観衆を「豚小屋に住んでる豚ども」などと罵倒し、「俺のスーパージュニア優勝の前祝いに鳴らせ!」とメタルテープ、紙吹雪の特殊効果機材で発射を強要してから姿を消した。

 大の字のまま動かないDOUKIの上に、虚しくパラパラと舞う紙吹雪。鹿児島大会は無情の幕切れとなったが、SHOは「余裕すぎる。スーパージュニア、俺の優勝は決まったな。お前はそうやって一生、泥水すすってればいいんだよ」などと高笑いを決め込みながら、ジュニアの祭典制覇を早くも確信した。

 そして最後はIWGP世界ヘビー挑戦を控える成田が、DOUKIに引導を渡す形に。成田は「オイ、SHOがよ、日本の悪からジュニアヘビーのベルトを守ってくれたぞ。次は俺だよ。IWGPヘビー、しっかり巻いてやるよ。EVIL社長はじめ、俺とSHO、そしてHOUSE OF TORTUREがな、この腐った新日本プロレスを変えてやるよ、ハハハハ!バカ野郎」と身勝手すぎる解釈を披露しながら、博多のジョン・モクスリー戦を見据えた。