入学や進学、就職など、新しい生活が始まる春。ぽかぽか陽気に気分もワクワクしてきますね。新しいことを始めるのにぴったりのこの季節に、発酵食品を自宅でつくってみてはいかがでしょうか。スーパーなどで手軽に揃えられる材料で、簡単に仕込める3つの発酵食レシピをご紹介します。

その1. 発酵玉ねぎ

玉ねぎ、塩、水の材料3つで仕込めるのが「発酵玉ねぎ」。玉ねぎを刻んで塩を加えて揉み込み、水を加えたら容器に移して、常温で1〜2日間発酵させるだけで完成です。

塩漬け工程によって乳酸発酵が起こり、玉ねぎ特有の辛みが抜けて酸味が出てきます。玉ねぎの甘みと塩気があるので、ドレッシングやソースとしてそのまま使えるほか、ちょい足し食材としても重宝します。

おすすめはカルパッチョ。買ってきたお刺身に発酵玉ねぎを添えるだけで、立派なオードブルに変身します。また、焼く前のお肉やお魚に汁ごと漬ければ、焼き上がりはやわらかく臭みもとれ、そのまま一緒に焼くと味わいのアクセントにもなります。春に出回る新玉ねぎを使ってぜひつくってみてください。

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その2. クリームチーズ

低温殺菌牛乳、生クリーム、ヨーグルト、レモン汁の4つの材料でつくれる「クリームチーズ」。牛乳、生クリーム、ヨーグルトをお鍋に入れて火にかけ、40℃になったら火からおろしてレモン汁を加えます。ヨーグルトの乳酸菌が作用して発酵を促し、レモン汁の酸によって牛乳のたんぱく質が固まります。

できあがったカード(凝乳)を、キッチンペーパーを敷いたザルに入れ、ホエー(乳清)と分離させたら完成です。分離させておく時間によって、仕上がりの固さが変わるのが自家製ならでは。

チーズケーキなどの材料として使うのはもちろん、お好みのフルーツや具材と一緒にクラッカーにそのままのせて楽しむ「カナッペ」なら、フレッシュな自家製クリームチーズそのものを堪能することができます。華やかな見た目なので、春のお花見やピクニック、ホームパーティーなどにぴったりですね。

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その3. 梅麹シロップ

5月中旬から出回る青梅、砂糖に加え、米麹を使って仕込む「梅麹シロップ」。青梅と砂糖、麹を保存瓶に入れ、毎日混ぜて約7日間、梅から水があがって、実が浮いてきたら完成です。

麹と梅に含まれる酵素が砂糖を栄養にして発酵。梅を丸ごと使うレシピが多いですが、青梅を切って使うことで、糖の浸透などがよくなり発酵しやすくなります。また、麹菌のつくりだす酵素の作用によって、梅の実がやわらかくなり、梅の実のおいしさを余すことなく抽出できるのもポイントです。

青梅と砂糖で仕込んだ梅シロップと比べ、梅麹シロップはまろやかな甘みのある仕上がりに。爽やかな梅の風味を楽しめるほか、麹菌がつくるビタミンも補給できますよ。

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新玉ねぎや梅といった春に旬を迎える食材を使った発酵レシピに、お花見やピクニックなど春の行楽におすすめの発酵レシピをご紹介しました。自宅で発酵食品を仕込むと聞くと、一見ハードルが高く思えるかもしれませんが、実は工程も少なく簡単なものも多くあります。私たちはベースをつくるだけで、乳酸菌や麹菌などの微生物たちがおいしく仕上げてくれるのです。

これまで二の足を踏んでいた人も、この春、発酵食品づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。