日本人の特徴として外国人たちが驚くのが、礼儀正しさやマナーの良さ。来日して3年目になるアメリカ人女性も、日本で生活するなかで、日本人の素晴らしさを目の当たりにした瞬間が幾度となくあるそうです。私たちが当たり前のようにしている行動で、世界から見ると「素晴らしい」と思われる行動とは、どんなものなのでしょうか。

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青森から東京へ 来日3年目の大学生

 アメリカ・ハワイ州出身で上智大学に通うリサさんは、アメリカ空軍で働く父が青森の三沢基地勤務になったことをきっかけに、高校3年生のときに来日しました。来日後は基地のある青森で半年ほど暮らし、大学入学を機に東京へと移住。日本での生活は3年目になりました。父がパラオ系アメリカ人、母が中国系アメリカ人のリサさんには、上京してから驚いたことがあるといいます。

「三沢は米軍基地があったのであまりなかったのですが、こちらではまだあまりアジア系アメリカ人になじみがないのか、私は見た目がアジア人なので、お店では日本語で話しかけられることが多いのです。私も日本語で返答するんですが、私の日本語がつたないので、途中でみなさん気がつくのでしょうね。『この人、日本人じゃないぞ』と(笑)」

 戦後からアメリカ軍基地のある青森・三沢は、アメリカ人も多く暮らす地。言語の面でもあまり苦労はなかったようですが、東京に来てから、日本語で話しかけられることが増えたそうです。リサさんが日本人ではないことに気づくと、店員さんはすぐに英語に切り替えてくれるため「みなさん優しく、とても助かっています。日本語を頑張らないといけないですね(笑)」と気遣いに感謝しています。

日本人が横断歩道で行う、なにげない行動 「やりすぎのようにも思えた」

 そんなリサさんが、日本人にとっては当たり前の行動に衝撃を受けたようです。

「日本文化における尊敬の念の大きさには驚きました。日本人が敬意をとても払うことは知っていましたが、それがどの程度なのかは知りませんでした。日常的な言葉遣いやちょっとした仕草のなかにも、相手への敬意が込められている。たとえば道路で、歩行者を先に渡らせるために車が止まったとき、日本人はドライバーに感謝の気持ちを込めてお辞儀をしますよね」

 信号のない横断歩道を渡る際、車が止まってくれたときにする軽い会釈。日本人であればなにげない行動ですが、それは日本独特の文化のようです。リサさんは「アメリカ文化で育った私にとって、最初はちょっとやりすぎのようも思えたのですが、今ではそれが素晴らしいと感じるようになりました」と受け止めています。

 外国人が素晴らしいと感じる、日本人にとっては当たり前の行動。こういった行動の根底にある他人へのリスペクトや配慮は、これからも大事にしたいものですね。

Hint-Pot編集部