毎年5月の第2日曜日は「母の日」。2024年は5月12日です。母の日の贈り物といえばカーネーションのイメージですが、義母へのフラワーギフトに気を使う人は意外に多いかもしれません。感謝の気持ちを表すのにふさわしいお花はあるのでしょうか。また、タブーとされていることとは? フラワー&グリーンコーディネーターののなかりえこさんに伺いました。

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贈る花に決まりはないが、義母の好みを把握していない場合は?

 母の日は諸説ありますが、1907年頃、アメリカのある少女が亡き母を追悼するために、白のカーネーションを捧げたのが始まりといわれています。「母の日」として、日本には1950年代頃から広まりました。日頃の感謝の気持ちを込めたギフトとして、当初は赤いカーネーションを贈るのが一般的でしたが、贈る花にとくに決まりはありません。

 贈る相手の好きな花ならばタブーなどないですが、義母の場合、好みを把握していないことも多いかもしれません。その場合のヒントとしては、一般的にNGとなるような花は避けるように選ぶと良いでしょう。

葬儀や弔辞、縁起の悪さを連想させる花

 カラフルで丸く、小さなポンポン菊(マム)の場合は入っていても気にしない方が多いかもしれませんが、葬儀や弔事を連想させる菊は、マナーに厳格な義母は快く思わないことも。

 シクラメンは、名前から「死」と「苦」を連想させるとする人もいます。また贈る義母が病気がちのときは、鉢植えは避けたほうが良いでしょう。植物が土に根を張る様子が「根付く」で「寝付く」となり、病気が長引くことを連想させるといわれています。

花言葉は花の色で違うことも スタッフに確認してOK

 花言葉を気にするお義母さんに贈る場合は、購入前に花店のスタッフに確認してみると良いでしょう。たとえばカーネーションといっても、色によって花言葉が異なります。参考までに紹介します。

 赤色のカーネーションの代表的な花言葉は、「母への愛」や「熱烈な愛」、「愛を信じる」です。またピンク色は「温かい心」や「感謝」、「気品・上品」、「美しい仕草」。紫色は「気品」や「誇り」、青色は「永遠の幸福」といった意味が込められています。オレンジは、「純粋な愛」や「清らかな慕情」、黄色には「美」や「友情」といった花言葉があるので、ポジティブなイメージです。

 一方でダークな濃い赤色の場合は「欲望」や「心の哀しみ」といった意味があります。白色には「純潔の愛」や「尊敬」、「あなたへの愛情は生きている」といった花言葉がありますが、「亡き母を偲ぶ花」ともいわれることも。そのため、存命の場合は白いカーネーションを避けたほうが良いかもしれません。

ライフスタイルを考慮して、春を感じる季節の花を贈ろう

 花選びには、贈る義母のライフスタイルを考慮することが大切です。水を変えるのが面倒とか、手入れが難しいケースもあるかもしれません。そのまま置くだけで、華やかで水やりも簡単なアレンジメントや、水やりの必要がないプリザーブドフラワーなどを選ぶのも良いでしょう。

 定番のカーネーションは、鉢でも生花でも、選択肢のひとつとしておすすめです。そのほか、母の日に感謝を伝えるのにぴったりの春を感じる花を紹介します。

【鉢の花を贈る場合】

○アジサイ

 品種が多く人気。咲き方の違いや、色味もさまざまです。優しい色やシックな色、鮮やかな色など、色が変化していくものなどがあり、好みのひと鉢が見つかるでしょう。

○クレマチス

 つる性の植物。「つる植物の女王」とも言われています。一重咲きや八重咲き、大輪のものやベルのような形の小さな花など、種類も豊富で人気です。

○ミニバラ

 色が豊富で良い香りがするものもあり、贈り物として人気。育てることが好きな方には、四季咲きのものを選ぶと喜ばれるでしょう。

【生花を贈る場合】

○シャクヤク

 華やかで美しい咲き姿が魅力的。花屋では淡いピンクや、濃いピンク、白色のものが多く並んでいます。

○ライラック

 小さな花が房状に咲きます。今は、葉付きの国産のライラックが市場に出回る時期。たくさんお花をつけ、揺れるような姿が特徴的です。水が下がりやすいので、深めの水で飾ってもらいましょう。

○バラ

 季節を問わず、贈り物として人気。色が豊富なので、好みの色が見つかりやすい花です。

 日頃なかなか伝えられていない感謝の気持ちを、花に込めて贈りたいですね。

Hint-Pot編集部