女優・吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・衆院補選開票速報のため午後8時10分)の第17話「うつろい」が28日、放送された。

 今回、一命をとりとめたまひろ(吉高由里子)。乙丸(矢部太郎)から道長(柄本佑)が夜通し看病してくれたことを知らされる。道長は民を救うべく疫病患者を収容する小屋を建てようとしていた。

 その頃、道隆(井浦新)は体調を崩し衰弱し始める。定子(高畑充希)は兄・伊周(三浦翔平)が関白に準ずる職につけるよう一条天皇(塩野瑛久)に働きかける。対する詮子(吉田羊)は…。そんな中、意外な人物がまひろを訪ねてくるというストーリーだった。

 (以下、ネタバレがあります。ご注意下さい)

 今回、藤原家の長兄として序盤から才色、気品にあふれた跡継ぎとして抜群の存在感を披露。ここ数話では関白まで上り詰めたものの、晩年は猜疑心にあふれた独裁者と化していた道隆が病に倒れ退場した。

 中盤から嫡妻・貴子(板谷由夏)のひざ枕で酒を飲む姿にネット上には「また飲んでる…」、「酒やめた方が」の心配の声が集まっていたが、登華殿で昏倒。水をカブ飲みしながら「目がかすむ、手が痺れる…。これは誰ぞの呪詛に違いない。心当たりがあり過ぎる。みんな、わしの死を望んでおる」と死相の浮き出た表情で叫ぶその姿には「退場か?」の危惧の声が。

 そして、弟・道兼(玉置玲央)を呼ぶと、「伊周ら家族を守ってくれ。酷なことをしないでくれ。我が家を頼む」とすがりついて懇願。定子にも「早く皇子を産め、皇子を、皇子を!」と言いつのり、困惑させた道隆。

 最後には正気を完全に失った様子で一条天皇(塩野瑛久)に「伊周を関白に!」と迫ると、翌月、愛する貴子に手を握られながら「忘れ時の行く末までは難ければ 今日をかぎりの命ともがな」との愛の歌を詠み、静かに43年の生涯を閉じた。

 端正なルックスで平安大河の雅な世界観を牽引してきた道隆の退場に放送中にはX(旧ツイッター)のトレンドワードで「#光る君へ」が1位に急浮上。

 ネット上には「さようなら、道隆様」、「最後の別れ 泣けた… 素晴らしかった」、「井浦新さんの演技が素晴らしかったし怖かった」、「井浦さん迫真! 鬼気迫る演技がさく裂」、「井浦新さんの演技力のすごさよ」などの声があふれた。

 大河ドラマ63作目となる同作。吉高は2014年に連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じており、朝ドラと大河の両作品の主演は4人目になる。

 脚本は2006年の大河ドラマ「功名が辻」やドラマ「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」「星降る夜に」などを手掛けた大石静氏が担当。大河の中でも数少ない平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろ(吉高)の生涯を描く。音楽は冬野ユミ氏、語りはNHKの伊東敏恵アナウンサーが務める。