ドジャース・大谷翔平投手(29)が28日(日本時間29日午前5時10分)、カージナルスとの本拠開幕戦を迎える。すでに20、21日に韓国・ソウルでパドレスとの開幕2連戦を終えたが、再出発する。21日の試合前に水原一平元通訳(39)が違法スポーツ賭博に関与した疑いなどで解雇。大谷も25日(同26日)に会見を行い、きっぱりと無関与を表明した上で、複雑な心中を明かしていた。21日の2打席目からオープン戦を含めて13打席連続無安打だが、ショックを“払拭(ふっしょく)”するアーチを本拠に架ける。

 再びスタートを切る。大谷は28日の本拠地開幕戦となるカージナルス戦に「2番・DH」でスタメン出場の見込み。変則日程ですでに20、21日に韓国・ソウルで開幕シリーズを終え、その後米国に戻ってオープン戦3試合で調整してきた。

 難しい日々だった。20日の開幕戦後に、水原氏が違法賭博への関与を告白して解雇。これまで6年間組んできたコンビが突如解散となり、関与が疑われた大谷も25日に会見を行って声明を発表し、「スポーツ賭博にはもちろん関与していないですし、ブックメーカーに送金していたという事実は全くありません」と否定した。

 ストレスが影響しているのか、米国に戻ってからのエンゼルスとのオープン戦3試合は安打なし。21日の2打席目から13打席連続無安打と調子は上向かなかった。それでも会見で「気持ちを切り替えるのは難しいですけど、シーズンに向けてまたスタートしたい」と必死に前を向いていた大谷。新天地での本拠地開幕戦は、再出発をする絶好の機会だ。

 韓国シリーズでは2試合連続で安打と打点をマークして10打数3安打の打率3割で2打点、1盗塁。調子は悪くなかっただけに“ショック”を払拭する一発に期待がかかる。3月中に本塁打を放てば、メジャー移籍後初。カージナルスの先発は15〜17年に巨人でもプレーした右腕のマイコラス。昨季の対戦では3打数2安打と相性も悪くない。

 チームが休養日となったこの日は、地元ロサンゼルスの日系人街「リトルトーキョー」にあるミヤコホテルの、3〜11階部分にあたる高さ約45メートル、幅約18メートルの超巨大な打者と投手の大谷が描かれた壁画をお披露目。発表イベントには約500人が集まってカウントダウンとともに大歓声が巻き起こった。地元での期待は高まっている。

 MLB公式サイトではシーズンの結果予想が発表され、ドジャースは地区優勝、リーグ優勝でワールドシリーズに進出するも、オリオールズに敗れる、とされた。2月には「ワールドシリーズの優勝だけ目指している」と意気込んでいた大谷。頂点だけを見据えて、再び走り始める。

(安藤 宏太)