バスケットボール男子で、パリ五輪に出場する世界ランク1位・米国の代表12人が決まったと17日、米国協会が発表した。「現役最強」の39歳、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)や、歴代最多の3点シュート成功数を誇るステフィン・カリー(36)=ウォリアーズ=、昨季MVPのジョエル・エンビード(30)=76ers=らスター集結で、年俸総額は650億円超え。本気の“ドリームチーム”で大会5連覇を狙う。

 5連覇を懸け、米国代表が歴代最強級の“ドリームチーム”を結成する。ジェームズ、カリー、エンビード、デュラントとMVP経験者4人を筆頭に、NBAを代表するリーグ屈指の選手がずらりと12人。指揮官はウォリアーズの名将スティーブ・カー氏で、史上最多17度目の五輪制覇に挑む。

 ジェームズは2012年ロンドン五輪以来、自身4度目で、3個目の金メダル獲得を狙う。2月のオールスター会見時には「(五輪は)健康であることが前提。だが、現時点では私が望むレベルでできる」などと語っていた。カリーは意外にも初参戦。これまでも何度か出場意欲を示してきたが、故障の影響などもあり見送っていた。21年東京五輪の金メダリストはデュラント、ブッカー、テータムら5人。特にデュラントは4大会連続で、4個目の金メダルに臨む。

 昨夏のW杯は、エドワーズ、ハリバートンら若手中心で挑み4位。19年大会に続き2大会連続のメダルなしに終わり、屈辱を味わった。バスケ大国の名誉挽回へ、W杯直後にスポーツ専門局ESPNは、NBAのスーパースターが五輪に興味を示していると報じ、“ドリームチーム”の誕生に期待が高まっていた。特にジェームズは、カリーらに「パリに行こう」と声をかけたとの報道もあった。

 米国はパリ五輪1次リーグC組で、NBAで過去2度MVPのニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)の出場が期待されるセルビア、昨夏のW杯で快進撃を見せた同33位の南スーダン、最終予選(プエルトリコ大会)の勝者と対戦する。「花の都」に、NBAオールスター軍団が乗り込んでくる。

 ◆パリ五輪組み合わせ

 A組 オーストラリア〈5〉、カナダ〈7〉、予選突破2チーム

 B組 ドイツ〈3〉、フランス〈9〉、日本〈26〉、予選突破チーム

 C組 米国〈1〉、セルビア〈4〉、南スーダン〈33〉、予選突破チーム

 ◆ドリームチーム 1989年に国際連盟が「五輪にプロ選手の参加」を認めたことを受け、92年バルセロナ大会で現役のNBAプレーヤーが初めて代表入りした。マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、マジック・ジョンソンら、ビッグネームが集結。12人中11人がNBA選手だった。決勝はクロアチアに117―85で勝利し、金メダルを獲得。その後も米国は、NBA選手が五輪にも出場。08年北京、12年ロンドン両五輪にはコービー・ブライアントやジェームズらも出場し、大会を制した。