◆JERA セ・リーグ 阪神2―0巨人(17日・甲子園)

 懸命の力投も白星には届かなかった。巨人・赤星優志投手(24)は5回3安打2失点で今季初先発初黒星。試合後、バスへと歩を進めながら「野手の方の好プレーに助けられ、5回まで投げられた。2アウトからの失点が反省点。そこで粘れるようにしたい」と反省点を語った。

 「先発7番手」のロングリリーフとして開幕し、つかみ取った先発マウンド。最速150キロの直球を軸にリズム良く腕を振り、2回までは無安打に封じた。だが、3回は「甘い球を打たれて、カウントも自分の有利に持っていけなかった」と2死から近本、中野に連打を許し一、二塁。続く森下の中堅への飛球は、佐々木が足を滑らせる不運もあり先制の2点二塁打となった。この回以外は安打を許さず、阿部監督は「何とか粘っていい投球をしたと思います」と評価した。

 昨季は後半戦の防御率1・36。その状態を維持するかのように、大崩れはしない。久保巡回投手コーチは「球を離すポイントがいい。(投球の)一番最後に力を入れる場所がいいよ」と指摘。「自分の中でこうやればこうつながるというのが体の中に入ったと思う」と、より打者の近くで力を入れてリリースできていることが安定感の理由と分析した。

 杉内投手チーフコーチは今後について「僕はそのつもりでいます」と次回も先発として託す考えを示した。過去2年、阪神戦は防御率1点台とライバルへの強さもある赤星は「試合をしっかりつくれるように、粘って長いイニングを投げられるようにしたい」と次回に視線を向けた。勝利を手繰り寄せるため、与えられた任務を遂行し続ける。

(田中 哲)