スキー・ジャンプの「レジェンド」葛西紀明(51)=土屋ホーム=が17日、札幌市内の同社でギネス世界記録公式認定証授与式に臨み、「W杯最年長ポイント獲得」、「W杯個人最年長表彰台」が新たにギネス世界新記録として認定された。これで葛西が保持するギネス世界記録は合計7つに。来年の世界選手権(ノルウェー)、2年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ向けても、ますます意欲をかき立てた。

 レジェンドに新たな勲章が加わった。3月22日のW杯プラニツァ大会(スロベニア=フライング)で29位となり、51歳290日のW杯最年長ポイントを獲得。さらに、2017年3月26日のW杯同大会3位で樹立していた44歳293日のW杯個人最年長表彰台記録も、公式認定員から新たにギネス世界新として認定された。

 葛西は既にW杯個人最多出場(578試合)など5つのギネス世界記録を保持しており、この日で合計7つに。大リーグ年間最多安打(262本)など7つのギネス世界記録をつくった元マリナーズのイチロー氏と並んだ。

 会見に臨んだ葛西は「自宅の玄関には、もう飾る場所がない…」と笑いつつ、「世界的に有名なイチローさんと並べたのはすごいことだと思う。情熱、信念を持って戦ってきた結果。8個目も目指していきたい」と“イチロー超え”も目標の一つに加えた。

 早くも戦闘態勢だ。例年は約1か月のオフに家族旅行などでリフレッシュしていたが、5季ぶりに海外W杯を転戦した今年は帰国後も休養2日だけでランニングを再開した。「せっかく体が絞れて腹筋もバキバキになったので、キープしていきたい」。大好きな筋子ご飯やタラコご飯も封印。誘惑を振り払って体重59キロ台、体脂肪率5%台を保ち、5月の宮古島合宿に向かう。来年の世界選手権、2年後の五輪へ向け、7つの勲章を持つレジェンドの闘志は燃えさかるばかりだ。

(石井 睦)