◆パ・リーグ 日本ハム4―4ソフトバンク=延長12回=(17日・エスコンフィールド)

 日本ハムの福島蓮投手(20)が17日、ソフトバンク戦でプロ初登板初先発し、5回2失点で降板した。プロ初勝利はお預けとなったが、球団史上初めて育成ドラフトから1軍の先発マウンドに上がった右腕に対し、八戸西高時代の担当だった白井康勝スカウト(55)がエールを送った。

 我が子を見守るような眼差しで投球を見つめた。パリーグ屈指の強力打線に挑む姿に「親心じゃないですけど。まさかね、こんなに早く先発させてもらえるとは。この先、来年、再来年以降につながってくれればいいかな」と目を細めた。

 過去に伊藤大海投手らも担当した白井スカウトが、右腕と出会ったのは高校1年の3月。雪が残るブルペンで投球を視察した。当時は「ボールも全然だった」が、その後の成長力に驚かされたという。3年春には21世紀枠でセンバツも経験し「予想以上に成長してきてる。手足が長くても器用に使いこなしていていたし、モタモタ感が一切なかったので面白いかな」と球団幹部に猛プッシュ。“原石”の指名に成功した。

 登板前夜にはLINEで激励のメッセージを送った。「プロ野球選手になって、先発できないで終わっていくピッチャーなんてたくさんいる中で、こういうチャンスをつかんだのは自分の頑張りだし、今後につなげられるように。福島の将来のために今日を大事にしてね」。最初で最後のプロデビュー戦。“第二の父”は、一生忘れることのない一戦を終えた“息子”にさらなる飛躍を期待していた。

 福島(プロ初先発で5回2失点)「練習してきた成果は出せた。次は立ち上がりをもう一段階、集中して投げられるようにしたい」