◆JERA セ・リーグ 巨人2―3中日(24日・東京ドーム)

 粘投も、今季初白星はまたもお預けになった。赤星優志投手(24)は試合後、悔しさを押し殺すように言葉を紡いだ。「甘い球はやっぱり打たれるなと。ゾーンには投げられていたんですけど、細かい制球やボール球を扱わなきゃいけない場面をもっと自分でも頭に入れながら投げたい」。7回8安打3失点(自責2)で2敗目。無四球で今季初のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)を達成した102球は今後につながるはずだ。

 初回1死一塁でカリステに左翼ポール直撃の先制2ランを浴びたが、冷静さを失わなかった。直球を軸にストライクゾーン内へリズム良く腕を振り、味方の逆転を待ち続けた。2―2の6回1死一、二塁では二塁走者・中田をけん制で刺すなどピンチを切り抜けた。だが、7回。先頭・木下に二塁打を許すと、1死三塁で捕手・岸田のけん制が失策となり勝ち越し点を献上した。「変化球を決め切れず先頭を出してしまったのが一番反省」。あと一歩、だった。

 球速は7回にも最速タイの150キロを計測。衰えない球威を示した。春季キャンプでは2月上旬からブルペンで100球以上投じる日をつくり、沖縄2次キャンプでは136球を数えたこともあった。「投げていかないと投げる体力もボールも上がっていかない」。大卒3年目で初めて開幕ローテ入りを逃してロングリリーフスタートだったが、土台があるからこそ申し分ないスタミナが体の中に落とし込まれている。

 戸郷や菅野、山崎伊、高橋礼に続くように先発陣の中で奮闘の跡を残しており、杉内投手チーフコーチは「よく粘った。気持ち切らさずにやってくれました」とねぎらった。次回へ「テンポ良く、先制点を取られないようにしたい」と見据えた24歳。次こそ3度目の正直となる今季初白星をつかみ取りたい。(田中 哲)