プロボクシングのWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)が27日、相模原ギオンスタジアムで行われたラグビー・リーグワンの相模原(旧三菱重工相模原)―BR東京(旧リコー)戦に来場した。試合は24―31で相模原が敗れたが、7点差以内のボーナスポイントにより、1部残留が決定。試合後、取材に応じた中谷は「こんなに大きい人ばかり周りにいるのは初めてです。見応えがありました。いい刺激になりました」と笑顔を見せた。

 相模原市在住の中谷がWBC世界バンタム級王座を獲得した2月24日、相模原スポーツデイと銘打ち相模原市ホームタウンチーム協力のもと挑んだ相模原が静岡(旧ヤマハ発動機)に初勝利。同日に相模原の力を見せたことからコラボ企画が持ち上がり、ゲスト来場することになった。この日は試合前にピッチに立ち、成昂徳(そんあんど)アカデミーヘッドコーチから王座獲得を祝う花束を渡された。「相模原を活動の拠点にしています。初めてのラグビー観戦楽しみにしております。(今季のリーグ戦)ホームラストゲーム、一緒に盛り上げていきましょう」とファンに向かってあいさつ。会場のファンからは大きな拍手が巻き起こった。

 米専門誌「The Ring(リングマガジン)」が23日(日本時間24日)、パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じて最強ランキング)の最新版(20日付)を発表。中谷は初めて10位にランクされた。 日本人のトップ10入りは、元WBC世界バンタム級王者の山中慎介、元WBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王者・内山高志、現・4団体世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(大橋)、現・WBA世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王者の井岡一翔(志成)に続く史上5人目の快挙だ。

 現在1位は世界3団体ウエルター級統一王者テレンス・クロフォード(米国)。2位が井上尚弥で、日本人2人が10傑入りを決めたのは15年の山中、内山、21年の井上、井岡に続き3例目。中谷は「素直にうれしい。まだまだ高みを目指したい。評価してもらえる試合をしたい。もちろん、1位を目指します」とこの日、改めて喜びを口にした。

 また、24日にリモート会見を行ったIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)が対戦を熱望。来月4日の西田凌佑(六島)との防衛戦に勝った場合の展望について、「中谷選手と戦ってみたい。ほかのチャンピオンが劣っているとかクオリティーが低いと言うことではなく、中谷という名前が一番のビッグネームだからだ。複数階級制覇だったり、過去の実績があるので一番重要なチャンピオンだと思っている」と語った。

 ラブコールに対し中谷は「ボクも(試合を)したい。向こうは試合を控えているので、まずはそれに集中していただきたい。(西田戦に勝利した場合は)ぜひやりたいです」と返答した。

 戦績は26歳の中谷が27勝(20KO)。31歳のロドリゲスが22勝(13KO)2敗1無効試合。