◆米大リーグ ドジャース4×―3ブレーブス(3日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が3日(日本時間4日)、本拠地ブレーブス戦に「2番・DH」で2試合ぶりの先発出場。1点を追う延長10回に同点適時打を放つと「カモーン!」と両手を上げて叫んで味方を鼓舞し、延長11回のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。ド軍移籍後初の1試合2盗塁と足でも貢献。ナ・リーグ西地区と東地区の首位対決を制した。

 感情が爆発した。2―3の延長10回1死二塁。大谷はエンゼルス時代に親交が深かったイグレシアスの4球続いたチェンジアップをはじき返した。同点の中前適時打。一塁を回ったところで「カモーン!」と両手を上げて叫んだ。昨年3月のWBC準決勝メキシコ戦では、9回先頭で二塁打を放ち「カモーン!」と絶叫し、村上(ヤクルト)の逆転サヨナラ打につなげたが、その名シーンを再現するかのように味方を鼓舞。チームは延長11回1死一、三塁からパヘスのサヨナラ打で勝利をもぎとった。

 ロバーツ監督も「翔平が大きなヒットを打って同点にし、感情を表した。私はこの戦い方が、とても好きだ」と賛辞を贈った。ここに大谷らしさが凝縮されていた。昨年12月にド軍を選んだ理由を「勝つことが僕にとって今、一番大事なこと」と表現。個人成績より、欲しているのは世界一。プレーオフで対戦する可能性の高いブレーブスを相手に、気持ちが入っていた。

 休養のため、1日(同2日)の敵地Dバックス戦で今季初の欠場。うっぷんを晴らすかのように、足でもみせた。3回に四球を選ぶと、自身11試合ぶりとなる二盗に成功した際には、左のお尻付近のユニホームが破れた=写真・共同=。同じく四球の8回は一塁けん制球に飛び出し、結果的に二盗を決めた後にはさらに穴が広がった。延長では着替えて登場したがハプニングをものともせず昨年8月以来の1試合2盗塁。成功率100%で7盗塁。注力してきた走塁練習が実になっている。敵軍のアクーニャも8回に一時同点のソロを放つなど、昨季の“MVP直接対決”第1ラウンドは互いに存在感を発揮した。大谷が感情をむき出しにして勝利を求めている。(中村 晃大)