◆JERA セ・リーグ ヤクルト7―7中日=延長12回=(4日・神宮)

 2日連続の満員となった神宮の夜空に、ヤクルト・村上がビッグアーチを描いた。「追い込まれていましたがうまく反応して打つことができました」。5―3の6回2死二塁でフェリスの直球を完璧に捉えた8号2ラン。打った瞬間に確信し、ゆっくりと歩み出した。

 昨年9月12〜14日の広島戦(神宮)以来となる3戦連発でリーグトップに躍り出た。この一打で1992年に清原和博(西武)が記録した24歳10か月を更新する史上最年少24歳3か月での通算200号に王手。5日のカード3戦目にも到達しそうな勢いだ。

 自身の少年時代のゴールデンウィークは「野球ばかりやっていました」と旅行などの思い出はないが、今はプロとして夢や思い出を与える側になった。球場に足を運んだ子どもたちの目には“村神様”の豪快な一発が確かに焼きついた。

 今季両リーグ最長となる5時間4分の激闘の末、ドローに終わったがチームは単独3位に浮上。「勝ち試合を見せたかったですけど、負けていないので、また明日から勝てるように頑張りたい」と締めくくり引き揚げた。(長井 毅)