大相撲の大関・琴ノ若改め琴桜(佐渡ケ嶽)が5日、千葉・松戸市の部屋で出稽古に訪れた大栄翔(追手風)と王鵬(大嶽)、弟弟子の琴勝峰(佐渡ケ嶽)の幕内3人を相手に計13番をとって12勝だった。

 力強い大栄翔の突き押しや王鵬の立ち合いをしっかり受け止めた。大栄翔と4番、王鵬と6番とって全勝。琴勝峰に一度寄り切られただけで、大関が12勝1敗と力の差を示した。それでも取組後に首をかしげる場面もあり、「相手に攻められていたので」と現状の内容に満足していない。「場所前終盤で仕上げられるように」と本場所を見据えた。

 右膝を気にするしぐさを見せて、前日の稽古を先に切り上げたが「大丈夫。ちょっと土俵が滑って(膝が)入ったような感じになったので、大事をとって」と説明。大栄翔、王鵬との連日の稽古を終えて「タイプが違う相手としっかりできてよかった」と語った。

 「琴ノ若」から「琴桜」に改名した夏場所(12日初日・両国国技館)の番付発表から5日経ったが、「先輩からは下の名前(本名の将且・まさかつ)、後輩からは先輩」と部屋での呼び方に変化はない。この日、出稽古に訪れた埼玉栄高の先輩の大栄翔からは「大関」とこれまでと同じように呼ばれているという。「(しこ名が)変わったなとは思いますけど、それだけのことなので。特に気にしていない」と、不動心で夏場所に臨む。