◆JERAセ・リーグ DeNA6―5ヤクルト(6日・横浜)

 DeNA・筒香嘉智外野手(32)が6日、ヤクルト戦(横浜)に「6番・左翼」でスタメン出場し、NPB復帰初戦でいきなり本塁打を放った。2点を追う8回2死一、二塁の4打席目に逆転の3ランを右翼席に運んだ。DeNAは8回まで2―5とリードを許していたが、佐野の適時打で2点差に迫ると、この日が復帰戦だった筒香が劇的な3ランを放って試合をひっくり返した。

 2019年10月7日のクライマックスシリーズ・ファーストステージで敗退した阪神戦(横浜)以来、1673日ぶりとなるNPB復帰戦。1回表の守備では平凡な左飛を捕球しただけで大きな拍手を浴びて苦笑いを見せた。1点を追う2回1死二塁の1打席目は、カウント3ボール1ストライクから1度もバットを振らず四球。すると続く伊藤の適時二塁打で追いつくと、京田の中犠飛で筒香が一時勝ち越しとなるホームを踏んだ。1点を追う4回1死二塁の2打席目は初スイングも中飛に倒れた。

 ハマスタが沸いたのは2点を追う7回1死走者なしの3打席目。3番手右腕・星の直球を捉えると、左中間フェンス直撃の二塁打を放った。あと数センチで柵越えかという当たり。NPBでの安打は19年10月6日のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦の阪神戦以来、1674日ぶりだった。続く4打席目で逆転3ラン。本塁打も1674日ぶりだった。復帰初戦から3打数2安打3打点の大暴れだ。

 「これまでと変わらず、チームの勝利に必死になって貢献する姿を見てもらいたい」。そう宣言して渡ったメジャーの夢舞台。DeNAで通算205本塁打を放った大砲の歩んだ道はいばらの道だった。1年目の20年。レイズで開幕へ向けて汗を流していたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が約4か月遅延。7月24日にようやく迎えた開幕戦でいきなり本塁打を放ったが、51試合で8本塁打、打率1割9分7厘と苦しんだ。チームはワールドシリーズに進出したが、ワールドシリーズでスタメン出場は1度もなかった。

 2年目の19年はシーズン途中にレイズを退団。ドジャース、パイレーツと1年間で3チームでプレーした。パイレーツに所属した22年は50試合で2本塁打、1割7分1厘で、8月以降、メジャーでのプレー機会を与えられず、23年はメジャーで1試合も出場することが出来なかった。今季もジャイアンツとのマイナー契約でシーズンをスタートさせたが、メジャー昇格をつかめなかった。

 だが、米国での4年間は無駄ではなかったことを証明して見せた。試合前には「この横浜スタジアムでベイスターズの一員として、プレー出来るということに、非常に喜びを感じています。僕自身が出来ることといえば、毎日ハードにプレーするだけですので、チームの勝利に少しでも貢献出来るように全力でプレーします。もちろん緊張はあります」と話していた筒香。頼れる背番号「25」がハマスタに帰ってきた。

 三浦監督は「ゴウが全てを救ってくれたなと思います。さすがだなと思いました。ベンチに筒香がいるだけね違う雰囲気を作ってくれた」と復帰初戦で“一発回答”した主砲にご満悦だった。