◆パ・リーグ 日本ハム5―2楽天(22日・エスコンフィールド)

 日本ハム・新庄剛志監督(52)の「勘ピューター」が鮮やかに的中した。前夜に負傷離脱した水野に代わり、緊急昇格した福田光を「8番・二塁」で即先発させ同点&中押し打の2安打2打点。2軍でも打率1割7分と不振を極めていたが「勘です。絶不調の福田君、寝不足ぐらいがちょうどいいかなって。さすが新庄剛志」とニンマリだ。

 招集をかけたのは前日、神奈川・横須賀でのナイターゲーム中。2軍戦にも出ていなかった26歳は「なんで俺?」と戸惑いながら翌朝8時羽田発の便で北海道へ。2回、今季1軍初打席で同点左前打。6回1死三塁では指揮官が打席の前に耳打ちし、右翼線に痛烈な二塁打。試合後のSNSでは「『ここで打ったらマンション買ってあげる』って伝えた」とつづったが、本当の言葉は「ポイントを前にして打って」。的確な助言で背中を押していた。

 勘の“裏付け”もあった。大阪桐蔭、法大では主将。「去年ロッテから来て、目を見て話した時に『この子はどっしりしてるな』って。彼は気持ちが強い。何かやってくれる」と記憶を呼び起こし、送り出した。チャンスをものにした福田光は「ファームにいる間は、ずっと寝てたようなもんなんで。(昇格は)ラッキーです。監督に感謝したい」とお立ち台で頭を下げた。

 2度の引き分けもあり、勝利は6試合ぶり。正遊撃手離脱の緊急事態をカバーしての連敗ストップに、「ナイスゲーム!」とボスの声も弾んだ。(堀内 啓太)

エスコン今年初屋根開き…寒い 〇…エスコンでの日本ハム―楽天戦は「ファーストルーフオープンゲーム」と題して可動式屋根が今年初めて開いた中で行われた。気温20度で風が吹き込む中、来日初の4番でV打を含む3安打のレイエスは「すごく気持ち良かった」。6回2失点で6勝目を挙げた伊藤は「ちょっと寒かったです」と苦笑いした。新庄監督は「屋根が閉まってたら(本塁打)いってた」と大飛球がフェンス手前で風に押し戻されたことに言及した。

 ◆福田 光輝(ふくだ・こうき)1997年11月16日、大阪府生まれ。26歳。大阪桐蔭では主将を務め、2年連続で夏の甲子園に出場。2年時の2014年に優勝を経験。法大では2年秋からレギュラーに定着し、4年時に主将。19年ドラフト5位でロッテ入団。23年3月に日本ハムへトレード移籍。176センチ、80キロ。右投左打。今季年俸は860万円(推定)。