湧別、佐呂間両町、北見市にまたがるサロマ湖畔で30日に開かれた「第39回サロマ湖100キロウルトラマラソン」(道陸上競技協会、北海道新聞社など主催)には、全国各地から50キロの部、100キロの部を合わせ3501人が出場した。厳しい暑さの中、出場者たちは力走した。



 100キロの部に出場した3026人は午前5時、気温18度で晴れ渡った青空の下、湧別総合体育館を一斉に力強く駆け出した。北見市常呂町スポーツセンターに男子の1位の選手がゴールした午前11時過ぎは気温が29度近くまで上がった。佐呂間町のこの日の最高気温は30.9度。50代の女性が熱中症で北見市内の病院に搬送された。



 100キロ陸連登録者女子で連覇を果たした太田美紀子選手(京都炭山修行走)は「とても暑くて途中でばててしまったが優勝できて良かった」と喜んだ。



■地域ボランティアも応援 湧別高吹奏楽局2時間半演奏



 コース沿道には、猛暑のレースを支える多くの地域住民の姿があった。1市2町の中高生含む約520人が大会ボランティアとして参加し、給水や軽食の準備、荷物の受け渡しなどでランナーの力走を後押し。観客たちは、ゴール直前まで「頑張って」と声援を送り続けた。







 湧別町内の35キロ地点では、義務教育学校「ゆうべつ学園」の生徒たちを中心に町民35人がオレンジやレモン、あんパンなど軽食を沿道に用意。暑さ対策の氷水を準備した同9年の本間莉央さん(14)は「熱い中頑張っているランナーたちを笑顔で出迎えます」と張り切っていた。



 コース中盤の40キロ地点では、湧別高吹奏楽局のメンバー20人による応援演奏が行われた。「愛は勝つ」「負けないで」などの名曲メドレーを約2時間半にわたり演奏。ランナーたちは手を振ったり、手拍子をたたいたりして、エールに応えた。3年の植村美裕局長は「ランナーに届くように、いつも以上に音を響かせました」と笑顔で語った。



 54.5キロ地点の「ルートイングランティアサロマ湖」では、佐呂間高生約40人が活躍。同3年の平川颯也さんは「20キロを走ったことがあるが、100キロを走れるなんてすごい」と話し、ランナーに負担がかからないよう、てきぱきと荷物を受け渡していた。



 ゴール直前も、地元住民による声援は続いていた。「あきらめないで」と声をかけ、ランナーの勇姿を最後まで見守った。