●金沢で21日、新しい出会いも生む場に

 能登半島地震で被災した能登の中高生たちが、離ればなれになった友人と再会する機会を作ろうと、金沢市内で交流イベントを計画している。能登では避難のため転校した生徒が多く「友だちにもう一度会いたい」という思いから、自ら動き出した。21日に同市長土塀青少年交流センターで初開催し、今後も定期的に開く予定で、旧友のほか、同じ10代の仲間と出会う場にもしたい考えだ。

  ●被災で離ればなれ

 イベントは金沢市内で被災生徒の集い場「ユースのリビング」を運営している団体「第3職員室」(同市)と、能登の若者によるオンラインコミュニティーを運営する「NOTORN(ノターン)」(七尾市)の共催となる。

 企画運営を担うのは、両団体で活動する能登在住、出身の中高生だ。それぞれが被災地で不自由な生活を強いられたり、集団避難を経験するなど苦労がある中、約1カ月前からオンラインで話し合い、準備を進めた。

 輪島中3年の中島唯月さん(14)は「友だちとのつながりを取り戻したい」と期待する。中島さんによると、輪島中では同学年約110人のうち、10人ほどが市外に転校し、仲の良い友人とも会えなくなった。イベントに向け久々に連絡を取っている友人もいるといい「能登を離れて息抜きできる場にしたい」と意気込む。

 輪島高2年の明後心咲さん(17)も「再会だけでなく、新しいつながりも作りたい。楽しく話せる場所にしたい」と話した。

 21日のイベント名は「もぐもぐ同窓会」で、女子高生の間で流行しているデコレーションケーキ「JKケーキ」やもんじゃづくり、ボードゲームなどを行う。定員は25人で参加無料。能登にゆかりのある中高生が対象で、「ユースのリビング」のホームページから申し込める。

 ユースのリビングの高山大生拠点長は「震災で友だちと会える当たり前の日常を失った。その当たり前を取り戻す1日になったらいい」と話した。