●「大変でしたね頑張ってください」

 秋篠宮さまは18日、能登半島地震で被災した農家を見舞うため、穴水町を訪問された。公益社団法人「大日本農会」(東京)の総裁を務める秋篠宮さまは被害に遭った同町鹿波の資材格納庫を視察し、農家に「大変でしたね、頑張ってください」と声を掛けてねぎらった。

 大日本農会は農業の発展と農村振興を目的とし、全国の農家を顕彰。秋篠宮さまは2022年度に緑白綬有功章を受けた前田忠男さん(69)=穴水町大郷=の農園を訪れ、前田さんと、20年度に同章を受章した川原義正さん(73)=輪島市町野町徳成谷内=と面会した。

 前田さんが経営する穴水町鹿波の前田農園は、資材格納庫のシャッターが損傷し、開閉に支障が出た。カボチャやブドウを栽培しており、停電が2カ月間続いて暖房が使えなかったため野菜苗が全滅した。

 川原さんは自宅が被害に遭い、妻と2人で知り合いの空き家に身を寄せている。水田の一部がひび割れし、被災した従業員4人を解雇せざるを得なかった。害虫を駆除する防除機を運び出せず、果樹園で作業ができない苦境を訴えた。

  ●本紙で状況説明

 秋篠宮さまは2人に対し、それぞれ「これから大変でしょうけど、一生懸命頑張ってください」などと励ました。

 前田さんの妻真砂美さん(61)の父谷内良正さん(88)は、大規模火災が起きた輪島朝市近くで倒壊家屋の下敷きになって亡くなった。前田さんは救助活動を報じた北國新聞の紙面を見せて当時の状況を説明。秋篠宮さまが路上にいた真砂美さんに近づき「つらかったでしょう、気を落とさないでください」と気遣う場面もあった。

 秋篠宮さまは2月14日、石川県済生会金沢病院(金沢市)を訪れ、被災して入院した患者らと面会した。