●「楽しい」「勉強に活用」

 出版大手の小学館(東京)と北國新聞社は、能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島、珠洲、能登、穴水の奥能登4市町の全児童1266人に図鑑をプレゼントする。24日、輪島中で授業を受けている輪島市の児童に配られ、早速ページを開いた子どもたちは「いろんなことが載っていて楽しい」「勉強に活用したい」と目を輝かせた。

 奥能登では少子化で児童が減っている上、地震の影響で同級生が離ればなれになるなど子どもたちが苦難を強いられている。少しでも元気付けようと、4市町の全25小学校への図書寄贈が企画された。

 贈られたのは、さまざまな動物や植物の生態が詳しく掲載された小学館の「図鑑NEO」シリーズ。1年生は「動物」、2年生は「昆虫」、3年生は「危険生物」、4年生は「恐竜」、5年生は「宇宙」、6年生は「人間」がテーマの図鑑が届けられた。各学校へは「学習まんが日本の歴史」全20巻セットが寄贈された。

 輪島市の河井、鳳至、鵠巣(こうのす)、大屋、河原田、三井の6小の児童が授業を受けている輪島中の教室では、6年担任の谷口拓教諭が児童一人一人に本を手渡した。児童は掲載された写真やイラストに見入り、人体の不思議を学んだ。QRコード(2次元バーコード)をタブレット端末で読み込んで動画を楽しむ姿も見られた。

 河井小6年の中村遥斗君は「輪島を応援してくれてうれしい」と笑顔を見せ、稲垣健吾君は、地震後の理科の授業で模型が使えなくなったとし「勉強に図鑑を活用したい」と話した。

 谷口教諭は同じ校舎で授業を受ける6小児童の交流を重視していることに触れ、「図鑑は児童が会話するきっかけにもなる」と感謝した。