1500年の歴史がある越前和紙の魅力を発信するイベントが5月12日、東京都内であり、書家やデザイナー、紙すき職人がそれぞれの視点で語り合い、福井が誇る伝統工芸の未来を探った。

 越前市ゆかりの紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」の越前編スタートを前に、県内に息づく文化を知ってもらおうと県が主催。「越前和紙のぬくもりと平安の息吹〜福井に息づく『千年文化』を未来へ〜」と銘打ち、書道愛好家や歴史ファンら約100人が参加した。

 「光る君へ」の題字を手がけた書家根本知さんが講演。「平安時代に、にじみにくく高品質な和紙が登場した。紫式部も、あふれるアイデアを連綿と書き留めておくことができ、源氏物語のような長編につながったのではないか」と推察した。

 第2部はトークセッション。根本さんと、越前市で開かれているクラフトマーケット「千年未来工藝祭」のプロデューサーを務めるデザイナー内田裕規さん、越前和紙の伝統工芸士村田菜穂さんが登壇した。職人の後継者不足など産地を取り巻く課題や次代に引き継いでいくための取り組みで意見を交わした。

 登壇者3人との交流会もあり、参加者は福井の地酒や焼き鯖ずし、小鯛のささ漬けなどに舌鼓を打ち、福井の食にも触れた。
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