年齢を重ねるごとに清楚さを増す美貌や、唯一無二の存在感で知られる沢口靖子。彼女の代表作でもある社会派サスペンス・ドラマ「科捜研の女」も、2023年にシリーズ25周年を迎え、その人気は衰え知らずだ。そんな沢口が2005年に主演した「新・科捜研の女(2005年)」は、沢口演じる榊マリコと、その父・伊知郎の関係を掘り下げる重要なシーズンとなっている。

沢口靖子が主演を務める「新・科捜研の女(2005)」
沢口靖子が主演を務める「新・科捜研の女(2005)」

(C)東映

京都府警科学捜査研究所、通称"科捜研"の法医研究員・榊マリコ(沢口)は、盟友である京都府警捜査一課の刑事・土門薫(内藤剛志)と共に、最先端の科学技術と仲間とのチームワーク、そして粘り強く多角的な視点を駆使してさまざまな難事件を解決に導いてきた科捜研の名物研究員。すべての情熱を仕事に捧げているマリコが、ある日、徹夜の捜査を終えて帰宅すると、玄関の鍵が開けられていた。玄関先に置いてあった金属バットを手に、恐る恐る中に入るマリコは、居間に男の影を発見。「泥棒!」と大声を出したマリコに、「なんだなんだ。いきなり朝帰りか?」と笑顔を見せたその男は、なんとマリコの父・伊知郎(小野武彦)だった...。

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シリーズを重ねるごとに、社会派サスペンス色が色濃くなっている「科捜研の女」だが、シーズン6となる本作は、マリコと彼女を取り巻く人々が織りなす人情ドラマのテイストが健在。その中心となるのが、レギュラーキャラクターとして初登場したマリコの父・伊知郎だ。

第1話の冒頭で、何の連絡もなしに娘の家に転がり込み、いきなり同居をスタートさせた伊知郎。職場ではあまり表情を崩さないマリコも、親子だからこその遠慮のない会話の中で怒ったりすねたりと、情緒が大忙しに。そんなマリコを、沢口は表情豊かに演じている。そして、第1話のエンディングには、科捜研の所長・宮前守(山崎一)の後任として、伊知郎がマリコの上司になるというサプライズも待ち受けていた。その際に沢口が浮かべる驚きと困惑の表情は見逃せない。

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第2話以降から、父娘であると同時に上司と部下となった伊知郎とマリコ。共に過ごす時間が圧倒的に増えたことから、仕事人間だった父と「父に放っておかれていた」と感じながら成長した娘との感情のぶつかり合いが描かれていく。マリコが何度も何度も、京都府警に来た理由をたずねるも、のらりくらりとはぐらかし続けていた伊知郎。その理由が明かされる第8話ではマリコの母・いずみ(星由里子)も加わって、家族愛をテーマにした、奥深いストーリーが描かれる。

また、普段はシンプルなカジュアルファッションに身を包んでいるマリコがドレスアップする第5話も必見。往年の名マジシャンが古びた小劇場から転落死する事件の捜査の一環で、京都府警察刑事部長・佐久間誠(田中健)と共に、事件の関係者でもある人気女性マジシャン・英亜呂真(高橋ひとみ)のショーへ出かける場面では、華やかな真紅のドレスとクラシカルなまとめ髪を披露。沢口のまばゆいばかりの美貌が堪能できるシーンとなっている。

また、土門薫と同じく、シーズン3から出演し続けている科捜研の文書鑑定担当・日野和正(斉藤暁)のコミカルな演技も見どころのひとつ。良質な刑事サスペンスと家族の絆も描いた人間ドラマを一度に楽しめる本作を、沢口の豊かな表情に注目しながら楽しんでほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

新・科捜研の女(2005)
放送日時:2024年4月1日(月)22:00〜
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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