北海道の奈井江町で報酬が低いことなどを理由に猟友会がクマの駆除の辞退を表明している問題で、奈井江町長は報酬を増額する方針を明らかにしました。

北海道猟友会・砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)

「ヒグマは相手が違う。鉄砲持っているからって米軍の特殊部隊相手にするようなもんだよ。この条件ではちょっとやってられない」。

北海道猟友会砂川支部の奈井江部会は今月18日、報酬が不十分であることやハンター不足などを理由にクマの駆除活動に参加しない方針を町に伝えていました。

町から提示された日当は1日8500円。発砲した場合は1800円が加算され1万300円になります。ハンターが駆除に参加しないという事態を受け27日あさ、奈井江町の三本町長は報酬を増額する方針を明らかにしました。

奈井江町・三本英司町長)

(Q:増額ということでよろしいですか?)

「それはもう構わないですね」、「ふさわしい値段というか料金、それを決めていきたいなということで、まさにきょう(27日)これから相談させていただくということでスタートしています」。

三本町長は具体的な報酬額や増額の時期については、今後、猟友会との協議で決めていく意向を示しました。

奈井江町・三本英司町長)

「今まで何年もの間、そういう事例はうちの町ではないので、どれぐらいのことがいいのか、真摯に話し合うしかないのかなと思っています」。

一方町の増額方針について、奈井江部会の山岸部会長はHTBの取材に対し、「報酬の問題だけではなく、人員不足の問題もある。話し合うつもりはない」とコメントしています。

クマの駆除に出動した場合のハンターへの報酬について道内の主なものをまとめました。

今回問題となっている奈井江町は1日8500円ですが、札幌市は6倍ほど高い1日5万600円となっています。一方、浦河町は奈井江町よりも少ない1回5000円だということです。

幌加内町はもともと1日6800円でしたが、去年クマに男性が襲われて死亡した事故を受けて1日1万5000円に増額されました。

報酬の金額だけではなく、各自治体にはハンターの減少という課題もあります。こうした問題にどのように向きあっていくのか、自治体だけでなく北海道全体、国全体で考えていく必要があります。