きょうの特集は、HTBが開校当初から追いかけている長沼町の「まおい学びのさと小学校」。「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が中心でこの春は何を体験したのでしょうか。

さらにある児童の家庭環境にも変化が。

子どものために下した『親の決断』とは。

■子ども:

「四つ葉あげる。」

■子ども:

「またミミズ発見!」

…開校2年目も子どもたちは元気いっぱいです。大きい子もいれば小さい子も。

珍しく?一列に整列してどこにいくのかな?

■子ども:

「あかなーい」

この日、子どもたちが向かった先は…。

■サツマイモ農家・川端祐平さん:

「ここからイモがなる。例えば、土の中に植えると4本イモがなる。」

長沼町のとなり町、由仁町のサツマイモ農家。

「農業・畜産」のプロジェクトチームが、サツマイモの育て方をプロに学びにきました。

植えるのは、由仁町と栗山町で栽培されている「由栗いも」です。

■川端さん:

「うまくできているかな?」

■子ども:

「楽しい!大変じゃなくて楽しい!作業じゃない気がする。遊びな気がする。」

プロジェクトとは、時間割の半分を占める「体験学習」のこと。

去年は「ものづくり」「料理」「演劇」の3チームで、今年新たにできたのが「農業・畜産」。この学校では「体験学習」を通じて、国語、算数、理科、社会など複数の教科を総合的に学びます。

1本20円で譲ってもらった苗を、学校にある自分たちの畑に。

「Qサツマイモできたらどうやって食べる?」

■子ども:「石焼き芋。干し芋とかやりたい。」

畑仕事のみならずお米づくりにも挑戦です!

■子ども:

「何リットルいれるの?」

■(学校の)スタッフ:

「容積調べれば何リットルかわかるよ」

■子ども:

「やばい足が終わった。きょう怒られるかな。」

***

■子ども:

「500、800、1600・・・」

こちらは「ものづくり」チーム。

玄関でつくっているのは・・・

Q何を作っているの?

■子ども:

自分たちで机を作りたい」

毎日使う机も、自分で設計します。

■(学校の)スタッフ:

「かんちゃんそろそろお昼だよ!」

■子ども:

「おっけ、これ採寸し終わったら」

1年生から5年生まであわせて76人。みんなの出身地もさまざま。

■子ども:

「函館!」「岐阜!」

Qなんでみんな転校してきたの?

■5年生:

「こっち楽しいし。公立の学校はルールが多すぎる。ヘアゴムの色は茶色か紺色か黒じゃないとだめだった。」

ここではお昼ごはんも好きな場所で。

***

■迎えに来た父親:

「いない・・・」

子どもたちを迎えに来たのは、恵庭市に住む村山直規さん。

■村山直規さん:「いくよー!」

2年生の双子のふたりはスタッフルームで発見!5年生のお兄ちゃんは…?

■村山銘ちゃん(2年生):

「いまお父さんが(兄の)耕野を探しています!」

Q毎日こんな感じ?

■村山直規さん:

「そうですね。」

ようやく集合して出発?と思いきや…。

■村山直規さん:

「メガネだけが見つからない。どこで外した?メガネ」

■村山慶くん:

「外した覚えはない」

■村山直規さん:

「外れてるんだって」

1年前の入学初日、カメラに向かってクイーンの曲を披露してくれた村山兄弟。

共働きの村山家はこの春、父・直規さんが小学校教諭の仕事を辞め専業主夫になりました。

■村山直規さん:

「(去年は)この子たちが3人で待ってた。6時を過ぎちゃうことが結構多くて。

そうすると『おなかすいた』とアレクサが鳴りやまない。お父さんじゃなくて『アレクサ』って呼ばれることもあって。(子ども3人で)テレビをずっと見ていたりそれが多かったな。もったいないなと思って。悪いなという気持ちがすごくありました。」

直規さんが家にいることで、2年生の銘ちゃんが積極的に料理をするようになったそうです。

■村山銘ちゃん:

「あー痛いな。」

この日の夕食は、豚汁とエビフライ。

全員分を銘ちゃんひとりでつくります。

■村山銘ちゃん:

「Q帰ってすぐお父さんいるの、どう?火とか使えるからいいんじゃないかな。

この前(去年)まではお父さんいなかったとき、すごくけんかとかしたりしてる。

Q誰と誰がけんか?「3兄弟でバシバシバシバシバシやってた。

」Qバシバシやっていた?「バッシバシ。

(お父さんが)帰ったころには『お父さーん!』」母・久恵さんが帰ってきました。

■村山久恵さん:「料理したがる。特に今年になってから『料理』のプロジェクトに入って。全部任せています。ありがたい。」

久恵さんは現在、公立の小学校で働いていますがこの学校への期待も大きいようです。

■村山久恵さん:

「子どものことを第一に考えてくれるので、すごい温かいというか、全部受け入れてもらって一緒に考えてくれる。このままのびのびと受け入れてもらえる安心感が、すごく子どもたちがある。」

■村山直規さん:

「大人になってからが楽しみだなと。大人になったときにやりたいことを実現するとか、自分で決めたことをやりぬくこととか、”まおいの学校”は小さいうちからさせてもらえてるから。この経験は大きいなと。きっと将来いろんなところでリーダーになっていける大人に育っていくのかなと。」

***

ほかの学校とはちょっと違う時間が流れる「まおい学びのさと小学校」。

物語はまだ、始まったばかりです。

(板に色塗りをする子どもたち)

Qなんで青色にしたの?

■子ども:

「青が好きだから」

■子ども:

「なにこれ?お花?唇?お空でした」

夏にはどんな体験が待っているのでしょうか。