茨城県鹿嶋市内に新たな観光スポットをつくろうと、地元出身者と移住者がタッグを組み、完全予約制の貸し切り型サウナを宮中に完成させた。「鹿とサウナ」の店名で30日にオープンする。ファウンダー(創業者)の飯島光修(みつなが)さん(29)とオーナーの東佐古滝大(とうさこりょうた)さん(31)は「多くの人を呼び込み、鹿嶋を盛り上げていきたい」と意欲を示している。

建設地は、飯島さんが生まれ育ち、工業用ボンベを取り扱ってきた「飯島商事」の跡地。飯島さんは、2022年1月、存命中で社長だった父信虎さんから「事業継続はしなくてもいいが、この土地は守り続けていってほしい」と言われていたという。

2人は東京のITベンチャー人材会社で同僚だった。ともにサウナ好きで、プライベートでも旅行に行く間柄。その後、東佐古さんが飯島さんから実家の状況を聞き、「いつかは独立してワクワクするような事業を展開したい」との思いも合致し、鹿行地域にはないプライベートサウナ事業に踏み出すことを決めた。

東佐古さんは昨年7月に移住。2人で準備を進めながら、今年3月にサウナ小屋建設に着工し、今月完成させた。

サウナの最大の特徴は熱源が薪(まき)ストーブであること。「燃えている薪を見ながら汗を流し、心も体も癒やすことができる」(飯島さん)。このほか、水風呂は井戸水を使用し、大木に囲まれた空間で自然の音や風景を感じながら、解放感のある時間が味わえるという。受け付けや着替えなどは、改装した隣接の古民家を活用する。

利用は水着着用。1日4組限定。1組最大8人。料金は150分(1〜4人)で、平日1万6500円、土日祝2万2千円。5人以上の場合は1人当たりプラス3500円。水着とサウナハットのレンタル(有料)が用意されている。

2人は「プライベートサウナが鹿嶋市を訪れるきっかけの一つとなり、鹿嶋市のファンを増やせる場所にしたい。地域の幸福度も高めたい」と口をそろえる。予約・問い合わせは同社ホームページから。