核廃絶と世界平和を訴える「ハート平和行進」が14日、三重県津市内であり、市民ら約70人(主催者発表)が「核兵器禁止条約に日本は参加を」「PEACE」などのプラカードを掲げて市中心部を行進した。

 県生活協同組合連合会と県原爆被災者の会(三友会)、原水爆禁止世界大会県実行委員会の3者の共催で、今年で23回目。東京・江東区の夢の島公園から広島市の平和記念公園まで、各地の生協連がリレー形式でつなぐ。

 津市西丸之内のお城西公園に参加者が集った。全岐阜県生協連からバトンを受け継ぎ、県生協連の堀尾茂貴副会長(60)があいさつ。「戦争のない世界、平和な世界を求めてアピールすることは意義がある」などと語った。

 出発式では前葉泰幸・津市長のあいさつを福森稔市民部長(58)が代読。「被爆された方の高齢化が進んでいる」とした上で「平和への切なる思いを次世代に受け継いでいかなければならない」と呼びかけた。

 参加者は同公園から国道23号を北上し、同市栄町の県労働者福祉会館まで1時間かけて行進。街宣車を先頭に「核兵器をなくそう」「核も基地もない日本を」などとシュプレヒコールを上げた。

 三友会の山口詔利会長(79)は取材に、ロシアのウクライナへの侵攻や中東情勢の悪化を危惧しているとし、「被爆者を二度とつくらないという思いで運動している。戦争には敏感にならざるを得ない」と話した。

 今年はビキニ環礁の水爆実験被害から70年、来年は広島・長崎への原爆投下から80年を迎える。三友会によると、県内に住む被爆者は約220人まで減少。平均年齢も86歳で、被爆体験の継承も急務とされる。