イーロン・マスク氏がオーナーの米Xが昨年7月に非営利団体Center for Countering Digital Hate(以下CCDH)を提訴した裁判で、カリフォルニア北部地区連邦地裁は3月25日(現地時間)、Xの訴えを却下する判決を下した。

 チャールズ・ブレイヤー判事は判決文で、「Xの訴えは被告(CCDH)への報復を目的としている」と述べた。

 この訴訟は、CCDHが昨年6月、当時のTwitter Blueアカウントが投稿した「ヘイトツイート」の99%に対し、Xが何の措置も講じていないという調査結果を発表したことに対するもの。Xは、この調査結果は不正確であり、この発表のせいで数千万ドルの広告収入が失われたと主張した。

 ブレイヤー判事は、Xの提訴の目的は「Xを批判したCCDHに制裁を加えることで、将来の批判を抑止すること」だと説明。Xは訴状で被ったという損失について適切に主張できていないため、すべての訴えを却下した。

 CCDHはこの決定を受け、「この画期的な判決により、SNSを運営する企業に対してヘイトスピーチやデマの監視とそれによる被害の責任を問う活動を多くの公共利益研究団体が継続することを願っている」と語った。

 Xは公式アカウントで、「裁判所の決定に同意せず、控訴する予定だ」とポストした。マスク氏は本稿執筆現在、この件については特にポストしていない。

 Xは昨年11月には、左派の非営利メディア監視団体Media Matters for America(MMfA)の指摘によって多数の広告主がXから撤退したことを受け、同団体を提訴した。