楽天モバイルは4月30日、いわゆる「プラチナバンド」こと700MHz帯において、試験電波の発射を開始したと発表した。電波が届きやすいプラチナバンドを扱えるようになることで、通信品質の改善が見込めるという。

 プラチナバンドとは、一般的に700M〜900MHzの周波数帯域のことを指し、ビルなどの障害物があっても電波が回り込みやすく、室内や地下でも届きやすいという特長がある。

 もともとNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社のみが保有していたプラチナバンドだったが、新規参入した楽天モバイルへの再割り当てなどの議論の末、NTTドコモの提言により特定ラジオマイクや高度道路交通システム(ITS)で使われている、700MHz帯周辺にあった3MHz幅×2の空き帯域を活用する方針に変更。公募を経て、2023年10月に楽天モバイルへの割り当てが決まった。

 周波数は、高くなるほど扱える情報量が多くなる一方で、遮蔽(しゃへい)物の影響を受けやすくなるという特性がある。楽天モバイルはこれまで4G LTEの周波数帯として1.7GHz帯を保有していたが、電波が回り込む700MHz帯を保有することで通信品質の改善が見込まれる。

 同社は商用サービスの早期提供を目指すとしており、特にユーザー数が多い都市部の電波が届かないエリアを優先して、自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大する予定としている。