俳優、長谷川博己が主演を務める「日曜劇場『アンチヒーロー』」(TBS系)の第3話が28日、放送される。

視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか?」を問いかける「弁護士ドラマ」の枠組みを超えた完全オリジナルの連ドラ。「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士、明墨正樹を長谷川が演じる。

「アンチヒーロー」第2話振り返り

町工場で起きた社長殺害事件で、殺人罪で起訴された従業員、緋山啓太(岩田剛典)を弁護することになった明墨法律事務所の明墨、部下の赤峰柊斗(北村匠海)と紫ノ宮飛鳥(堀田真由)の3人。検察が提出してきたのはどれも決め手を欠く状況証拠ばかりだったが、明墨と対峙する検事の姫野道哉(馬場徹)はついに、新たな証拠として、殺害に使用したとされる「凶器」を提出した。それは緋山が所有するハンマーで、犯行現場から2キロ先の河原で発見された。3カ月間も雨ざらしになっていたが、検察は被害者の血液反応が出たと主張した。

そんななか、明墨は姫野の裁判記録を調べ上げ、これまで担当してきたすべての殺人事件のDNA鑑定を、法医学の第一人者である都立医科大学教授の中島忠雄(谷田歩)が行ってきたことに注目。姫野が、優秀な検事だからこそ重圧を感じて追い込まれ、「有罪」を勝ち取るため証拠を捏造しているのではと推測した。明墨は、姫野がDNAの再鑑定を警察に指示し、中島に鑑定結果の改ざんを依頼したはずだと睨んだ。

一方、大学に潜入して検査室の使用記録を確認した紫ノ宮らは、2月15日の13〜18時の間に不自然な空欄があることに着目。中島がこの間に、被害者の爪の間から採取したとされている皮膚片のサンプルに、緋山から任意で採取したDNAを混入させ、再鑑定を行ったのではと考えた。さらに紫ノ宮は、これら検査に中島の助手、水卜健太朗助教授(内村遥)が関わっていたことも突き止めた。

第三回公判の証人尋問で、中島は空白の時間に水卜と打ち合わせをしていたと主張したが、ここで明墨は、水卜が、中島と極秘でDNAの再鑑定を行っていたことを告発する証拠映像を再生した。明墨は、水卜が高圧的な中島に対して多くの不満を抱えていることをつかんでおり、それでも共犯者になるのかと揺さぶりをかけていた。さらに明墨は、中島が検察から金銭の見返りを受けていたとし、姫野は被告人を起訴できる十分な証拠を揃えられなかったため、卑怯な手を使ったと糾弾した。

緋山には「無罪」の判決が言い渡されたが、その後、赤峰は、緋山がゴミ処理施設で血の付いたジャンパーを廃棄しているところを目撃してしまう。事務所に戻ると、明墨がすべてを知った上で緋山を無罪にしたと非難。「先生の正義がどこにあるか分かりません」と吐き捨てた。明墨は、大切な家族がナイフを持った男に殺されそうになっていて、自分もナイフを持っているとしたらその男を殺せるかと質問。「殺します」と答えた赤峰に、「大事な人を守るためにやむをえず人を殺した者、殺意を持って人を殺そうとしたができなかった者…罪が重いのはどっちだろうね。正義とは何なんだろうね」と問いかけ、「君が君の正義を貫くように、私は私の道を突き進む」と宣言した。

第3話あらすじ

明墨は、政治家の息子の暴力事件を弁護することに。担当検事は緑川歩佳(木村佳乃)だ。

公式SNSにアップされた予告動画には、薄暗いナイトクラブや路上で誰かが暴行されているカットや、「新たなる裁判」「政界の暴力事件」などの文字が並び、明墨が赤峰に「君がやっていることは、犯罪者と何も変わらないんだよ」と言い放つ場面、検事正の伊達原泰輔(野村萬斎)が緑川に「世間は大騒ぎだろうねぇ。政治家の子供のスキャンダルは大好物だから」とつぶやくシーンが収められている。

また、赤峰に「あなたのためにそこまでするなんてね」とつぶやく紫ノ宮や、赤峰の「罪のない人間に罪を着せるためですか? そんな司法権力はゴミです!」との声に重ね、抵抗する赤峰が法廷から連れ出されるような場面で締めくくられている。