NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合など)第6週「朝雨は女の腕まくり?」(第21〜25話)が6日から放送される。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ。女優の伊藤沙莉が主人公の猪爪寅子役を演じる。主題歌「さよーならまたいつか!」を歌うのは、シンガー・ソングライターの米津玄師。朝ドラ「カーネーション」(2011年度後期)で主演を務めた女優の尾野真千子が「語り」を担当する。

「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」振り返り

現職の大臣を含む政財界の16人が逮捕され、時の内閣が総辞職に追い込まれた「共亜事件」で、帝都銀行に勤める寅子の父、直言(岡部たかし)が贈収賄の容疑で逮捕された。父の無実を信じる寅子は、母のはる(石田ゆり子)が毎日つけていた手帳と調書を照合し、直言から自白を強要された事実を聞き出したが、直言は、裁判では争わず、証言を覆すつもりはないと言った。

寅子は、明律大法学部の教授で、直言の弁護人を引き受けてくれた穂高重親(小林薫)に相談。穂高は裁判で無罪を主張する方針を固め、寅子をほかの弁護人たちに引き合わせた。「法は強き者が弱き者を虐げるためのものじゃない。法は正しい者を守るものだって私は信じたいんです」と訴える寅子に弁護人たちが共感。結束は固まったが、直言の態度は頑なだった。

そんななか、無罪を訴える署名活動などを行っていた寅子たちが暴漢に襲われた。偶然居合わせた帝都新聞の記者、竹中次郎(高橋努)が助けてくれたことでケガはなかったが、竹中はこの事件に寅子たちが関わることを危惧。事件は内閣を総辞職させたい貴族院議員の水沼淳三郎(森次晃嗣)が起こしたものという見立てを語り、これ以上動くと命にかかわると警告した。

昭和11(1936)年1月、第一回公判が行われた。裁判長を務める武井(平田広明)の横には裁判官の桂場等一郎(松山ケンイチ)がいた。入廷した直言は、緊張とプレッシャーで話せなくなってしまうが、一度退廷し、穂高に勇気づけられたことで意を決し、証言を変更。取り調べで自白を強要されたことを告白した。検察は自白を盾にして認めようとしなかったが、直言が長時間にわたって革手錠されて追い込まれたと穂高が発言したことで検察の捜査方法への批判が高まり、世間の風向きが一気に変わった。

同年12月、1年半に及んだ公判は結審となり、武井は全員に無罪を言い渡した。武井は検察の証拠はどれも信ぴょう性に乏しいとし、「あたかも水中に月影をすくい上げようとするかのごとし」という判決文を読み上げた。判決から3日後、検察は控訴を断念。直言たちの無罪が確定した。ある晩、直言ははるに映画のチケットを渡し、「できればあの日からやり直したい。いや、やり直すだけじゃなく…」と頭を下げた。はるは、直言が何も言ってくれないことを不安に感じていたと振り返り、「私が小うるさいから何にも話してくれないのかなって…。映画の時だってほかに女がいるんじゃないかって心配で心配で…」と号泣。直言は「いるわけないだろ。はる以外の女だなんて」と否定した。長かった猪爪家の共亜事件がやっと終わった。

一方、穂高はこの判決文を桂場が書いたと見抜き、その内容を「蟻あり一匹通さぬ、見事なまでに一分の隙もない判決文」と絶賛した。穂高から話を聞いた寅子は、桂場を待ち伏せしてお礼。そして、法律は盾や毛布のような道具ではなく、きれいな水が湧き出る水源のような場所だと述べ、「私たちは、きれいなお水に変な色を混ぜられたり汚されたりしないように守らなきゃいけない。きれいなお水を正しい場所に導かなきゃいけない」と訴えた。寅子の話を興味深く聞いていた桂場は「君は裁判官になりたいのか?」と質問。「君のその考え方は非常に…」と言いかけたところで「ああ、そうか。ご婦人は裁判官にはなれなかったね。失礼」と訂正した。寅子は「はて?」と首をかしげた。

「虎に翼」第6週「女の一念、岩をも通す?」あらすじ

寅子、山田よね(土居志央梨)、桜川涼子(桜井ユキ)、大庭梅子(平岩紙)、崔香淑(ハ・ヨンス)の同期生と、猪爪家の書生、佐田優三(仲野太賀)がいよいよ高等試験に挑戦。狭き門にチャレンジするが、結果はそろって不合格となる。寅子は、はるから諦めろと言われるが、直言の助けで働きながらであればと勉強を続けることが許される。

そんななか、女子部の合格者ゼロとなった明律大は来年から女子部の募集を中止すると発表。女子部の面々は「あと1年だけ待ってくれ」と学校側に懇願するが、香淑、涼子、梅子はそれぞれの事情で受験を断念することに。

翌年、同期たちの思いを背負った寅子はようやく合格を果たし、日本初の女性弁護士が誕生する。