NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第24話が2日、放送され、検察官の日和田役を務める俳優、堀部圭亮の演技を多くの視聴者が絶賛した。堀部は、2021年度後期に放送された朝ドラ「カムカムエヴリバディ」に出演し、赤螺吉右衛門を好演。当時を思い出した視聴者が、その振り幅の大きさを面白がった。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く「虎に翼」。主人公の猪爪寅子を女優、伊藤沙莉が演じる。ドラマは第5週「朝雨は女の腕まくり?」(第21〜25話)が放送されており、弁護士を目指して明律大法学部で学ぶ寅子の父で、帝都銀行に勤める直言(岡部たかし)が、政財界の大物を巻き込んだ「共亜事件」の贈賄容疑で裁判にかけられ無罪を主張している。

日和田は、検察畑出身の貴族院議員、水沼淳三郎(森次晃嗣)に操られている検察官で、水沼は、時の内閣を総辞職させるためにこの事件を起こさせたと思われる。日和田は陰湿かつ冷酷な人物で、この日の放送でも、さまざまな反証を示して被告たちの無罪を主張する弁護団の言い分を、直言らの自白を盾に突っぱねた。

一方、「カムカム」の吉右衛門は父親ゆずりの「ケチンボ」で、愛想はないが、話が合えばノリがよく、溺愛する息子が粗相をしたときには素直に謝罪する誠実さや、亡き父との最後の思い出に後悔の涙を流す温かさも持ち合わせた人情家として描かれた。

堀部と言えば、二枚目ながら眉間にしわを寄せて、人を寄せ付けないようなオーラを発する嫌味なヒールの印象の役が多いが、朝ドラファンにとっては、やはり吉右衛門のイメージが強いようで、この日もSNSには「カムカムでは良い人だったのに」「吉右衛門ちゃん、すっかり嫌な大人に…」「コラ! けちえもん!」「ひゃ〜〜吉右衛門さん! 憎たらしい!」などのコメントがズラリ。また役柄を見事に演じ分ける堀部を絶賛する視聴者もおり、「日和田ってカムカムの吉兵衛さんなんよな。役者さんってすごいなぁ」「日和田検事が本当に嫌なキャラで、堀部圭亮さんさすが」といったポストもあった。