ジャイアンツの本拠地で広がった「別次元」の光景とは

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は14日(日本時間15日)、敵地ジャイアンツ戦に「2番・DH」で先発し、特大12号ソロを放つなど5打数3安打2打点の活躍で10-2の快勝に貢献した。デーブ・ロバーツ監督が「オオタニ効果だ」とする客席での“異変”を敵軍地元紙が報道。「青い波に無抵抗だ」と嘆いている。

 ブルーがオレンジを押しのけた。ジャイアンツの本拠地オラクル・パークの客席を埋めたのは数多くのドジャースファン。地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」は「ジャイアンツとドジャース間の巨大な隔たりは狭まる兆しが見えない」と題する記事を掲載し、100年以上続く両球団のライバル関係に起きた異変を伝えている。

 著者のアン・キリオン記者は「連戦初日の月曜日、私は観客としてスタンドにいたが、3万5000人のファンの60%ほどはドジャースを応援しているようだった」と印象を伝えた。FAで獲得を逃した大谷に対しては「苦々しい、振られたジャイアンツファンからブーイングが聞こえたが、それよりも遥かに多くの人たちが真新しいオオタニのユニホームを着ていた」と“味方”のほうが多かったようだ。

 記事では「ドジャースが街にやって来る時、青い波がマッコビー湾を一掃することに無抵抗だ」と宿敵による“侵略”がかつてないレベルに達していると嘆き。「LAからベイエリアへの数多くの移住者、チケットの購入しやすさ、そして間違いなく見る価値があるドジャースというチームが組み合わさった当然の結果だ」と理由を分析した。

 ドジャースのロバーツ監督は敵地に乗り込む自軍ファンの数が「今はさらに増えている」とコメント。「いつも良く入ってくれていたが、これはオオタニ効果だと思う。彼は確実に目立った変化をもたらしている男だ。世界中の人たちが彼のプレーを見に来ている」と大谷の影響力を強調した。以前から遠征に来るファンは多かったというが「今年は別次元だよ」と証言した。

 試合もドジャースに2桁失点で完敗。9回に10点目が入った時には、客席を立って帰路に就こうとするジャイアンツファンも多数見受けられた。借金が6に膨らみ、首位ドジャースとのゲーム差は5月半ばにして10に広がった。「今、素晴らしく見えるものは何もない。青の侵略も、ジャイアンツの戦い方も、順位も」と落胆は止まらなかった。

(THE ANSWER編集部)