NHKは30日、横浜流星が主演を務める2025年放送の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」に、俳優の西村まさ彦、尾美としのり、橋本淳、芹澤興人、水沢林太郎、里見浩太朗の6人が出演すると発表した。このうち、水沢は今回が大河初出演となる。

“江戸のメディア王”として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜)の波乱万丈の生涯を描く大河で、6人は江戸を代表する版元、戯作者、絵師たちを演じる。

西村が演じるのは、蔦重の永遠のライバル「永寿堂」の西村屋与八。宝暦の頃(1750年代)から錦絵を手がけ、鈴木春信などの有名な絵師ともつながりを持ち、一代で江戸を代表する地本問屋となる。吉原の遊女をモデルに呉服屋とタイアップした現代のファッションカタログの先駆けとも言える錦絵のシリーズ「雛形若菜の初模様」を、蔦重と共同で手がける。その後、鳥居清長らの美人画を数多く手がけ、2代目も含めて蔦重のライバルとして江戸の出版界をともに牽引していく。

尾美が演じる平沢常富(つねまさ/朋誠堂喜三二・ほうせいどうきさんじ)は、当代一の覆面戯作者。出羽国久保田藩(秋田藩)の藩士で、江戸城の留守居(いまでいう外交官)を務める。役職柄、情報交換の場として吉原に出入りすることが多く、「宝暦の色男」の異名をもつ。一方で、奇想天外な大人の童話、歌舞伎の筋書きをもじったパロディなど洒落、滑稽、ナンセンスを盛り込んだ戯作を数多く発表し、また手柄岡持(てがらのおかもち)という名で狂歌も発表。流行作家として一時代を築く。のちに蔦重にとって最高かつ最大の協力者となる。

このほか、橋本は蔦重の商売初期から支える人気絵師、北尾重政役、芹澤は、吉原細見(吉原遊廓についての案内書)の「改め」(取材・編集担当)の仕事を請け負う浅草の本屋、小泉忠五郎役、水沢は蔦重、次郎兵衛(中村蒼)とともに、五十間道「蔦屋」を支える留四郎役、里見は「解体新書」など先進的な本を出版した、時代を代表する書物問屋の店主、須原屋市兵衛役で出演する。