大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日 184日間)の公式キャラクター「ミャクミャク」が突如、神戸にやって来た!

 運営する日本国際博覧会協会の公式ホームページのトップページを見ると、日めくりで“あと何日(〜days to go)”と、いろんな表情のミャクミャクが現れる。

 博覧会協会は、開幕500日前となった昨年(2023年)11月30日にホームページのデザインを一新。開幕へのカウントダウン表示は、この時にスタートした。

 ミャクミャクは連日、関西のあらゆるスポットを訪れ、撮影クルーのあらゆる注文にこたえてポーズを取っている。

 4月のある日。撮影は神戸市長田区。JR新長田駅にほど近い若松公園。

 1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた長田の街。このあたりは被災者の避難所だった。

 2009年には、震災からの復興と地域活性化のシンボルとして、神戸出身の漫画家、故・横山光輝さんの作品「鉄人28号」のモニュメントが建設された。

 震災から30年となる来年(2025年)開催される大阪・関西万博。その盛り上げに、長田の街がひと役買った。

 父親と一緒に散歩に訪れた4歳の女の子は、はじめは怖がっていたが、ミャクミャクに手を差し伸べられて、すぐにおともだちに。

 市場の買い物帰りに若松公園を訪れた40代の女性は、「大阪・梅田で撮影していたのを見たことがあります。あの時、ミャクミャクがすごく大きく見えたのですが、これだけ巨大な鉄人モニュメント(直立時の高さ18メートル)と比べたら、かわいいもんですね」と話した。

 生後間もない男の子をベビーカーに乗せた20代の女性は、撮影スタッフにミャクミャクとベビーカーとの2ショット撮影をうながされ感激。「いい思い出になります」と微笑んだ。

「これ、何なん?」。近くに住む80代の女性は、初めてミャクミャクを見た。「(映画『男はつらいよ』の撮影で)寅さん(俳優の故・渥美清さん)が来た時も菅原市場へ見に行ったよ。あの時(震災から約9か月後・1995年10月)は、まだ復興もしてない時やったから、気持ちも落ち着かず、この後の生活がどうなるかが心配やった。でも、今こうやって長生きさせてもらって、ミャクミャクと一緒に撮ってもらえたのが嬉しいわ。来年4月か……。万博行ってみようかな。また会えるんやろ?」とご満悦だった。

ミャクミャクの生みの親で、デザイナー・絵本作家の山下浩平さんは、小学6年時から神戸市須磨区に住んでいた。神戸でフリーランスとしてデザインやアート活動を始めた。現在は活動拠点を東京に移しているが、阪神・淡路大震災後、元町で古着屋を営んでいたこともある。

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 これまでに大阪の街中や、京都の神社仏閣、神戸の異人館などおしゃれスポットでの“ロケ”を終えた。そして庶民の街、神戸・長田でのふれあい。

 大阪・関西万博への機運醸成は待ったなし。担当者は「ベースとなる近畿2府4県のみならず、その近辺でも積極的に展開したい」と話す。ミャクミャクと撮影クルーは、これからも関西各地に出没する。どこかで撮影シーンに遭遇できるかも……。