日航ジャンボ機墜落事故の現場「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村楢原)が29日に開山するのを前に、公益財団法人「慰霊の園」(理事長・黒沢八郎村長)は28日、村役場で理事会を開いた。遺族ら6人が出席し、今年の慰霊式典の実施方式などについて話し合った。

 日本航空の立花宗和安全推進本部長は、4月から鳥取三津子社長が就任したことを受け「新体制となるが、揺るぎなく安全対策に取り組む。事故当時を知る社員が少なくなる中、工夫して事故を次世代に継承していきたい」と述べた。

 羽田空港(東京都)で1月、日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故では、日航機の乗客乗員全員が脱出することができた。事故遺族らでつくる「8.12連絡会」事務局長の美谷島邦子さんは1月の事故について「慰霊の園や村が取り組んできた事故の継承が、『安全を第一にする』という(日本航空の)意識につながっていると思う」と話していた。慰霊式典における出席制限の有無などについては、6月の理事会で正式決定する見通し。