群馬県みどり市出身の詩画作家、星野富弘さんの作品50点を紹介する「花の詩画展」が10日、東京都江東区塩浜の高齢者福祉施設「故郷の家・東京」にある地域交流スペースで始まった。星野さんが先月28日に亡くなったことから「追悼展」と位置付け、記帳台を設けた。19日まで。

 施設に入居する高良順(コ・ヤンスン)さん(88)の33年前の体験が今回の開催につながった。富弘美術館を鑑賞後、「作品の原風景を見たい」と近くを散策中に偶然、星野さんと出会った感動を忘れずに持ち続けたという。

 施設運営法人の業務執行理事、多胡元喜さん(76)が出版社社長時代に星野さんの本の出版に関わり、交流があったことから実現した。

 詩画展開催は星野さんが亡くなる前に決まっており、高さんは実現を「夢のよう」と話す一方で「亡くなるとは夢にも思わなかった」と惜しんだ。多胡さんは「富弘作品のメッセージは『やさしさとの出合い』。共感してほしい」と話した。

 施設運営法人や地域住民らでつくる「江東地域星野富弘詩画展を開く会」が主催。富弘美術館の聖生清重(せいりゅう・きよしげ)館長によると、追悼展は初めてという。

 入場無料。午前10時から午後3時。問い合わせは同施設(電話03-3644-0555)。