恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。私は10年間の婚活に700万円の費用を投じ、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に“リアルに役立つ情報”をお伝えします。

ハイスペイケメンとの出会いに心弾ませていたけれど

 写真はイメージです(以下同じ)男性のデートの段取りが完璧だと、つい心が揺らぐことはありませんか? デートの誘い方、お店の選択、予約、デート前日のフォロー、デート中、そしてデート後までしっかりエスコートをしてくれる男性とデートをすると「こんな男性が、まだ婚活市場に残っていたの!」と思ってしまいます。今回はそんな男性とデートを重ねた千夏さん(仮名・40歳/会社員)のお話です。

千夏さんは10代〜20代の頃に女性雑誌の読者モデルをしており、容姿が整っていました。20代の頃は経営者や外資系金融勤務などの人たちとの交流が多く、派手な生活を送っていたそうです。しかし、一緒に遊んでいた友人が次々の結婚をし始めたので、千夏さんも真剣な出会いを求めて、ハイスペックな男性と出会えるというマッチングアプリを使い始めました。

そこで知り合ったのが、IT企業の経営者、祐樹さん(仮名・43歳/経営者)。彼とのデートについて話をしてくれました。

お店選びも支払いも、全てにおいてスマートなデート

「祐樹さんとの初デートは、本当にスマートでした。スタイルがすらっとしていて、顔もカッコよく、爽やかなイケメン。食事は広尾にあるフレンチを食べました。その後は東京の夜景を一望できるホテルのラウンジで飲み、帰りは私のためにアプリでタクシーを呼んでくれました。タクシー代もアプリで支払い済みで……全てにおいて、こういう男性を待ってました! という感じです」と、その日のことを嬉しそうに語ります。

2回目のデートでは、帰宅中のタクシーの中にいる時に、「次はいつ会えそうかな? 例えば明後日とかどう? ちょっと早すぎかな(笑)」と積極的なメッセージが届いたそうです。「こういう積極的なお誘いする男性って、最近いなくなっている感じがしません?」と興奮気味な千夏さん。



順調に見えた関係も、雲行きが怪しくなる

その後、3回目のデートまでは順調でした。しかし4回目のデートから急に連絡が取れなくなりました。理由は、彼の仕事が忙しくなったから。祐樹さんは出張が多いので、部屋は持たず、六本木にあるホテルに滞在していると話していたそうです。

ホテルの男女なかなか彼と会えなくなってしまった千夏さんは、焦る気持ちから彼が泊まるホテルに行き、「今ホテルのラウンジにいるんだけど会えたりする?」と、メッセージを送りました。すると彼からすぐに電話があり、そこで身体の関係を持ったそうです。その後はホテルで会うことが続いたのですが、千夏さんは身体だけの関係が気になってしまい、「私たちの関係って何? 私は付き合いたい」と、切り出しました。

すぐに付き合いたい私と、今は恋愛する気がない彼

すると彼は「今は仕事が忙しくて付き合うという気になれないし、外に出かける時間もない。もし難しいのであれば、この関係は終わりにしよう。それから、これまで伝えていなかったけど、今年離婚したばかりで新しい恋愛という気持ちにはなれないし、まだ住むマンションも決めきれていない状況なんだ」と伝えてきたそうです。

千夏さんは、この状況を変えたくて私に相談してくれました。彼女は結婚願望が強く、すぐにでもお付き合いを開始したい様子でした。しかし、彼は離婚したばかりで、お付き合いは望んでいないと断言しているので、彼女の願いを叶えることは難しいと感じました。



デートの計画も立てられない男性は「頭が悪い」

どうして彼とお付き合いしたいのか千夏さんに尋ねると、「こんなにも私の要望を聞いてくれる人はいないし、デートの計画もスムーズで、会話も上手な男性は婚活市場には残っていません。これまでデートした他の男性は会話がつまらないし、デートの計画だって私が提案しないといけない。そんな頭が悪い男性とはお付き合いはできないです」と、正直な気持ちを話してくれました。しかし、デートの計画ができないからという理由で「頭が悪い男性」と決めつけてしまう点には違和感を持ちました。

椅子に座る女性私からは「2人が求めている状況が違い、千夏さんが結婚したいという強い意思を曲げないのなら、このまま関係を続けても千夏さんが求めていることが手に入らないのでは?」と伝えました。

彼との関係が終わってしまった本当の理由は

それから数週間後、祐樹さんに連絡をしても返信がないため、彼女は彼が泊まっているホテルの部屋の前まで行き、なんとか会おうとしたそうです。部屋の中から反応がないので受付に行き、部屋番号と名前を伝えて取り次いでもらうようお願いしましたが、結局彼とは会えませんでした。その後も彼と会う機会はなく、祐樹さんとの関係は終わってしまいました。

付き合う前に身体の関係を持ったからこの恋は実らなかったのか、それとも彼女が彼の気持ちを汲み取れなかったから彼と会えなくなってしまったのか。真実は彼にしか分かりませんが、デートをスムーズに計画できない男性を「頭が悪い」と決めつけて婚活をしているところが、そもそも婚活がうまくいかない原因なのではないかと思ってしまいます。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/田中亜依>

【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019