マクラーレンのオスカー・ピアストリは2024年シーズンでF1参戦2年目を迎えた。チームのザク・ブラウンCEOは、ピアストリがこの1年で成熟し、“初心者マーク”は外れたと語った。

 昨シーズン後半、レッドブルに次ぐスピードを見せたマクラーレンだったが、今シーズンは開幕2戦で直近のライバル勢の後塵を拝した。しかし昨年に比べれば、遥かに力強い状態で今年の第3戦オーストラリアGPに臨んでいる。オーストラリア人のピアストリとしては、今回が2度目の母国戦だ。

 ピアストリはルーキーイヤーでグランプリ初日から徐々にペースを上げていくアプローチを取っていたが、今年は序盤から速さを見せている。開幕戦バーレーンGPではノリスを上回る8位入賞。サウジアラビアGPでも4位に入り、ノリスに対して計4ポイント先行し、オーストラリアGPを迎えた。

 そのオーストラリアGPでは、ノリスが負けじと予選4番手タイムをマーク。予選3番手だったレッドブルのセルジオ・ペレスが3グリッド降格ペナルティを受けたため、ノリスは3番手、ピアストリは5番手から決勝へ挑む。

 ピアストリの進歩について尋ねられたブラウンCEOは、次のように語った。

「彼はどんどん速くなっている。2レースを終えて、彼から“初心者マーク”が外れたのが見て取れる。そして金曜日からすぐにペースを掴んでいる」

「彼はミスを犯さないし、とても速い。今年最初の2レースでは、最も差がないドライバーコンビだったと思う」

「それこそがチームとして望んでいることだ。彼らはお互いをプッシュし合っているし、チームを攻め立てていると思う。当面のドライバーラインアップにはとても期待している」

 またブラウンCEOは、ピアストリが昨年よりもリラックスして母国戦に挑んでいることを認めた。

「昨年は非常に難しいスタートだった」とブラウンCEOは振り返る。

「ルーキーというプレッシャーに加え、初めてのホームレース……そして、それほど強くないマシンでのレースだった」

「彼は今、1年の経験を積んだと思う。彼は何が起こるか分かっているんだ。より良いマシンを手にしているし、それを楽しんでいるのは間違いない。彼の成熟が見られて嬉しいよ」

「彼は既に成熟した若者だけど、1年経った今、何を期待されているのかが分かっているから、より高い自信を持っているのは間違いない。ヘルメットを被れば、さらに良いパフォーマンスを発揮してくれるだろう」

 昨年、マクラーレンは最初の2レースで無得点となり、オーストラリアGPを迎えた時点ではコンストラクターズランキング最下位だった。

「今回はかなり良くなっている」とブラウンCEOは語る。

「昨年、シーズン初のポイントを獲得したのはこのレースだった。レース終盤のアクシデントで、かなり多くの恩恵を受けたんだけどね」

「マクラーレンのみんなは素晴らしい仕事を続けている。昨年の後半にやり残したことを取り戻している感じだ。勢力争いはかつてないほど接近していて、我々はハードに攻め続ける必要がある」

「でも我々は非常に強力なマシンを設計、開発できたと思う。もっと強くなると良いけど、他の9チームも黙って見ている訳ではない。我々のドライバーたちは素晴らしい仕事をしている。我々のレーシングチームには多くのハーモニーがある」

「だから我々は改善と前進を続ける上で本当に良いポジションにいると思う。今年は沢山のバトルができると思うと、とても楽しみだ」