RBの角田裕毅は、F1オーストラリアGPを7位で終え、今シーズン初ポイントを獲得。その走りを、チーム代表のローラン・メキーズは高評価した。

 角田は見事予選Q3に進出し、8番グリッドからレースに臨むと、スタートではひとつ順位を落としたものの、その後はアストンマーティンのランス・ストロールを追いかけた。

 上位チームのうち3台がリタイアし、さらにフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がレース後のペナルティで順位を下げたこともあって、角田は7位フィニッシュを果たした。

 RBのメキーズ代表は、角田の走りを完璧だったと称賛した。

「彼は今回、完璧な仕事をした。FP1から振り返ってみてもミスはゼロだし、ペースも良かった。だから彼は今週末、本当にとても強い仕事をしたんだ」

「彼は以前にもレースで強い走りを見せていた。今回もいくつかの局面で少し不運に見舞われたが、それは仕方がないことだ。だから今日は彼の自信、チームの自信にとってとても重要だった。これを糧にしていこう」

 今シーズンはレッドブルやフェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンまでの5チームが強く、グリッドの2層化が進んでいると言える。

 そのため、予選Q3進出も決勝でのポイント獲得も例年以上にハードルが高くなっているのだ。

 そんな中で角田が見せている走りを受けて、メキーズ代表は現在、RBが中団争いのトップである6番手の位置にいると考えている。

「中団争いのトップは6番手で、それが今の我々の位置だ。この序盤3レースはアップダウンもあったが、我々はすべてのレースでその位置にいた」

「我々にとって素晴らしい結果だ。レースで初めて、我々が中団のトップに立った。サウジアラビアであんなことが起きる前は、ユウキが10番手だったから、我々はすでにあのポジションにふさわしいと思っていた」

「サウジアラビアではQ3に進んでいるし、バーレーンでは1000分の7秒Q3に届かなかった。ここではまたQ3に行けた。だから土曜日にはできていたことが、日曜日にはできていなかったんだ。今回はグループとして、今回とてもうまくできたことがとても重要なんだ。中団争いはとてもタイトだから、すべてを完璧に近づけることで初めてポイントを獲得できるんだ」

「我々はそれができたんだ。前で数台がリタイアしたのも確かだが、レースの大半でストロールに挑むことができた。スタートで抜かれてしまったのは残念だけど、基本的にはレースの大半で彼について行けたからね」

「もっともっとそうやっていくことが重要なんだ。誤解しないでほしいのは、4ポイント獲得したからといって、この順位が確定したわけでも、常に中団でトップに立てるわけでもないということだ。レースウイークごとにコンマ1秒を争うことになる」

「次戦の日本GPはまた大きなリセットになるし、コンマ1、2秒の差で11番手から18番手にスライドしてしまう」

 メキーズ代表は、今後は小さなアップデートでも勢力図が変わる要因になると認めると同時に、いかに完璧にレースを実行していくかが重要になってくると語った。

「まだ第3戦で先は長い。勢力図も変わって行くだろうし、コンマ1秒のアップデートでグループ内の順位が上がったり下がったりすることが何度も起こるだろう」

「つまりこれは開発レースであると同時に、いかに完璧にレースを実行するかの競争でもあるのだ。それはファンにとっても、我々競技者にとっても素晴らしいことだ」

「チームがユウキと完璧なレースができたことを誇りに思う。繰り返しになるが、中団争いは残酷なので、地に足をつけ、以前にも増してハードワークする必要がある。そして、あらゆる部門で最大限の力を発揮してこそ、今日のようなほんのわずかなアドバンテージを保つことができるのだ」

 メキーズ代表は、18番グリッドから12位でレースを終えたダニエル・リカルドについても言及。レースでの走りは悪くなかったと考えており、次のように語った。

「彼にもっと快適なマシンを与える必要があるんだ。ユウキはFP1からとても乗りやすいクルマに乗っていた。ダニエルに関しては、その段階に達したのはおそらく予選のときだけで、そこから積み上げていく必要があった」

「そして彼はレースでそれを確実に達成したと感じている。彼は今回、ポイントを獲得したドライバーたちと同じくらい速かった。だからより適切なスタートポジションを得られれば、ポイント争いをすることができたはずだ」

「後方からのスタートだったにも関わらず、ダニエルが非常に力強いレースを展開したことはもうひとつの収穫だ」