F1日本GPで、RBの角田裕毅が10位入賞を果たした。これについて同チームCEOのピーター・バイエルが、最大限の賛辞を送った。

 角田はF1日本GPを10番グリッドからスタート。蹴り出しが悪く、複数のマシンに先行を許してしまった。しかしその直後、チームメイトのダニエル・リカルドが、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンと接触してクラッシュしたことで赤旗中断。再スタート後ポジションを上げた角田だったが、実質1回目のピットストップでキック・ザウバーのバルテリ・ボッタスにアンダーカットされてしまい、ポジションを落とした。

 その後角田は粘り強く走り、22周目に2回目のピットストップを迎えた。これが、このレースの真骨頂だった。

 このタイミングでポジションを争っていたケビン・マグヌッセン(ハース)、ボッタス、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、角田、ランス・ストロール(アストンマーティン)の5台が同時にピットに傾れ込んだ。その中で最も速くコースにマシンを戻したのはRBで、角田は3台をごぼう抜きすることに成功した。

 データを見ると、RBのピットストップが格段に速かったわけではなく、ハース、キック・ザウバー、ウイリアムズが揃って作業に手間取ったという事実に助けられたところもあるが、チームが堅実な作業で角田をコースに送り出したことも間違いない。

 その後角田はストロール以下を退け、10位入賞。トップ5チームの全車が完走した中で、貴重な1ポイントを持ち帰った。

 RBのチームCEOであるピーター・バイエルは、今回の角田の走り、そしてホンダを賞賛した。

「ユウキ・ツノダは素晴らしいパフォーマンスだった。ホンダのことも賞賛したい」

 そうバイエルCEOは語った。

「2012年の小林可夢偉(3位)以来の、日本人ドライバーによる、日本での入賞だ。ユウキのパフォーマンスは誇りに思っているよ」

 そしてチームの仕事ぶりも褒め称え、今回の結果は激しい中団グループ争いの中では、勝利のようなモノだと語った。

「チームも、ピットストップで素晴らしい仕事をしてくれた。我々にとって、重要な1日になったよ」

「ダニエルがリタイアしてしまったことは、我々にとっては残念なことだった。それでも、全体的に見れば、我々にとっては勝利に等しい結果だ。この激しい中団争いを考えればね」

 次戦は久々の開催となる上海国際サーキットでの中国GP。今回の結果により、自信を持って中国に向かうことができると、バイエルCEOは語った。

「今回のレースの結果、次のレースでも良いペースを発揮できると、自信を持つことができたよ。アリガト!」