ウイリアムズF1は序盤戦でクラッシュが続き、スペアパーツ不足の問題に直面している。ただドライバーのアレクサンダー・アルボンはチームがレースへの考え方を変えることは許されないと考えている。

 ウイリアムズは開幕戦からスペアシャシーを用意できないまま戦っており、第3戦オーストラリアGPではアルボンがFP1でクラッシュ。シャシーはサーキットでは修復できず、ローガン・サージェントのマシンでアルボンがレースを走ることに。サージェントは欠場を余儀なくされた。

 日本GPでは、修復されたシャシーをサージェントが使用していたが、FP1で大クラッシュ。幸いシャシーにダメージはなかったものの、ギヤボックスにクラックが入るなど、大きなダメージを負ってしまった。

 そして日本GP決勝ではアルボンがリカルドとの接触でタイヤバリアに激突。シャシーの右フロントにダメージを受けた。第5戦中国GPでは修復を受けて使用されるが、ウイリアムズとしては依然としてスペアシャシーのない状況であり、破損に対するリスクが非常に高い状態が続いている。

 一方でウイリアムズはマシンのアップデートにも精力的に取り組んでいる。中国GPでは2台とも日本GPで導入された最新のフロントウイングを装着し、さらにアルボン車にはヘイローの新型フェアリングが搭載される予定だ。

 そしてアルボンは、スペアパーツの問題が残っている状況でも、レースへのアプローチを変えることはないと語った。

「正直に言えば、そのことはあまり考えずにレースへ向かっている」

「たしかにその問題はある。でも今はパーツが足りないとか、あれそれが無いとか考え始めるようなら、家にいたほうがいい」

「他の週末と同じようにアタックする必要がある。限界がどこなのかを感じるために限界まで攻めなくちゃならないし、マシンのバランスをとっていかなくちゃいけないんだ」

「これは脳の一部をブロックする必要のある所で、普段通りにレースをし続けなくてはならない」

 そしてアルボンは2台のマシンに新しいパーツをできるだけ多く搭載しようとしたチームの努力を称賛している。

「とてつもないほどの努力だよ。僕らがクラッシュで厳しくなったのは確かだけど、それ以前から既に苦境に立たされていたのは、公然のことだった」

「またいつものように大変な仕事で、物事をまとめ上げるためにグローブ(ファクトリー)のスタッフを頼る必要がある。そして、彼らは継続的に仕事を進めてくれている」

「これはとても重要なことで、スプリントレースに挑むのなら尚更だ。今週末に何が起こるかわからないから、可能な限りベストな準備をしておきたいんだ」

「こういった未知の要素が多いレースは、僕らのようなチームにとってチャンスなんだ」